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報道記録
報道年月日 2016/06/23
報道機関名 日本経済新聞
会員名 太平洋セメント
タイトル 3Dプリンターで作成 鋳物向け新材料 太平洋セメント
報道記録の内容  太平洋セメントは鋳物品作りに使う「鋳型」を、1000万円程度の3Dプリンターで製作できる新材料を開発した。セメント系の材料で、鋳鉄やアルミを形づくる鋳型を作ることができる。従来も鋳型用の3Dプリンターはあったが、1億円以上するため、中小企業では導入しづらかった。安価な機種で使える材料の開発により、新たな技術を用いたモノ作りが広がりそうだ。
 鋳型は溶かした金属を流し入れ、冷やし固めて、自動車や産業機械の鋳造部品を作るのに使う。3Dプリンターによる鋳型作りは砂で型を作る高価な機種を使うか、一般的な機種では石こう系の材料を使っていた。
 太平洋セメントは北海道立総合研究機構と共同でセメントの固まる性質を使い、3Dプリンター向けの新材料を開発した。従来の石こう系材料と比べ硫黄の含有量を3分の1以下にして鋳造品に穴を開けることがあるガスの発生を抑制。鋳鉄や鋳鋼性の部品を作る際に支障が出ないようにした。
 建設工事などで使うセメントと異なり、すぐに一定の強度に達するように配合を工夫した。ただ鋳型は固まった鋳造品を取り出す際に壊すため、固すぎないように抑えている。年内にサンプル出荷を始め、早期の実用化をめざす。
 鋳型は通常、模型を木で作り、その模型を砂で覆って製作する。3Dプリンターで鋳型を作ると模型が不要になる。日本の鋳造品メーカーの8割は30人未満の中小企業。安価な機種で作れる新材料が期待されていた。
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