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報道年月日 |
2016/08/24 |
報道機関名 |
日本経済新聞 |
会員名 |
東ソー㈱南陽事業所 |
タイトル |
化学各社バイオ医薬に的 三菱化学が本格参入 基幹材料 東ソーは5割増産 |
報道記録の内容 |
受託製造やVB出資 成長へ種まき
化学各社がヒトの免疫機能を生かす「抗体医薬品」などバイオ医薬品の関連事業に相次ぎ投資し始めた。東ソーは約50億円を投じて製造工程で使う基幹材料を5割増量。三菱化学は同事業に本格参入した。石油化学製品と比べ収益性が高く、各社は成長領域と位置付け始めている。バイオ医薬品の有望なベンチャーに出資する動きも出始めた。
抗体医薬品は免疫に関係するたんぱく質(抗体)を主成分とする。がんなど特定の細胞や組織に働きかけて治療するため、化学合成でつくる往来薬と比べて効率が高く副作用が少ないとされる。
英エバリュエートファーマによると抗体医薬品の世界市場は2015年に750億ドル(約7兆5千億円)だが、20年にはほぼ倍増し、1480億ドルに達する見通し。化学各社は海外勢との競争が激しい汎用樹脂や原材料の事業を縮小する一方、高収益の医薬関連事業に注力している。その中でも成長が顕著なバイオ医薬品関連を伸ばそうとする動きが目立つ。
東ソーは不純物の混じる培養液から抗体を取り出すのに使うゲル状の基幹材料である精製剤を手掛ける。南陽事業所(山口県周南市)で精製剤の工場を増設する。年内にも着工、19年にも出荷する。生産能力は明らかにしていないが現状と比べ5割増える。投資館は50億円程度とみられる。
抗体医薬品向けの精製剤は米GEヘルスケアが世界シェア8割を握る。市場拡大に伴い世界の製薬会社は調達先を増やし、効率よく抗体を取り出せる高機能品を求める傾向が強まった。これを受け10年以降、日本勢の新規参入が相次いでいる。
三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱化学は培養液や洗浄液を高速で流しても、抗体を吸着するゲルがつぶれないようにした精製剤を開発した。抗体の精製にかかる時間を短縮できるとみて、本格参入した。
12年に精製剤に参入したカネカは日米欧に加え、韓国やインドなどに販路を広げている。今年2月にはバイオ医薬品向けの資材を手掛ける米ポール社と販売契約を締結。同社が世界に持つ顧客網を活用する。22年には受託生産事業も含めバイオ医薬品関連の売上高を100億円規模に育てる。
JSRは15年秋に精製剤の新製品を開発した。粒子表面に細かい凹凸を付けて表面積を増やし、抗体を吸着しやすくした。自社の往来品と比べて精製効率を5割高め、このほど茨城県つくば市の子会社で生産を始めた。
化学各社は素材に限らず、バイオ医薬品の事業に注力し始めている。精製剤などの素材で蓄積した技術を生かし、製造だけを担う受託生産事業に乗り出すほか、有望なベンチャーに出資して、将来の成長への種をまこうとしている。
三菱ガス化学は2018年までに製薬会社が開発した抗体医薬品の受託生産に乗り出す。メタノールなどを製造している新潟市の拠点に新工場を建設する。
抗体医薬品は遺伝子を組み替えた細胞などを培養して生産するため製造が難しく、高コストになりやすい。専門の製造業者の需要が高まると判断した。受託生産参入に向け、日本で初めて抗体医薬品の後発品を開発した日本化薬との共同出資会社を6月に設立した。
住友化学は医薬品ベンチャーのボナック(福岡県久留米市)に資本参加した。同社は遺伝子に働き掛ける次世代のバイオ薬として注目される核酸医薬品を開発し、既に住友化学と製造面で提携関係にある。出資を通じて基盤技術の共同研究を加速する。日本触媒も核酸医薬品を手掛ける東京大学発のバイオベンチャーへの出資を決めている。 |
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