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| 報道年月日 |
2017/01/05 |
| 報道機関名 |
山口新聞 |
| 会員名 |
山口銀行 |
| タイトル |
吉村猛・山ロ銀行頭取新春インタビュー 企業の成長支援 地域を元気に「顧客ファースト」浸透 |
| 報道記録の内容 |
世界経済が回復局面に入る中、日本経済は円安株高基調による企業収益の改善や賃金改善などを背景に好転の兆しが見えてきたが、地方のすみずみまで景気回復を実感できるまでは至っていないとの声も多い。2017年の地域経済はどうなるのか。山口銀行の吉村猛頭取に聞いた。
―昨年の山口県経済を総括すると
設備投資や住宅投資が回復し、県内有効求人倍率も高水準で推移するなど総じて緩やかな回復基調をたどった。長門市が会場となった昨年12月の日ロ首脳会談では国内外の注目が県に集まるなど山口ブランドがさらに広まった1年だった。
―2017年の山口経済の見通しを
米国のトランプ次期大統領の政策への期待感などから続く円安株高を背景に県内企業も全体的には恩恵を受けるようになり、回復基調が続くのではないか。明治維新150年を前にした大型観光キャンペーンなどの展開も始まるので、私たちも地域活性化にお役立ちできるように努めたい。
―日銀のマイナス金利政策の影響で本業の貸し出し業務が厳しさを増している。どう収益力を伸ばすか
収益環境は厳しいが、やはり本業の貸し出し業務は大事だ。(企業の事業内容や成長性を適切に評価して融資を行う)事業性評価に基づく取り組みに一段と力を入れ、融資創造を地道にやっていく。また、投資信託や保険販売など個人向けサービスを強化し、中長期の資産形成を支援しながら手数料収益も伸ばしたい。
―改めてマイナス金利政策の影響は
貸出金利の低下で利ざやが確保しづらくな.っており、2017年3月期通期でみると山口銀行で20億円程度の収益減少の影響がある。融資量拡大で補いたいが、資金需要がそこまで伸びていないのが実情だ。
―昨年1月に審査部を廃止し、企業の成長を支援する事業性評価部を立ち上げた。その成果は
顧客企業の経営上の課題解決に向けた提案数が山口、もみじ、北九州の3行で昨年4~9月で約1万2千件に上った。提案内容はビジネスマッチングや販路開拓などさまざまだ。中期経営計画で掲げた顧客に親身に寄り添う「コンサルティング・ファースト」が浸透し、行員の意識改革が進んでいると感じてはいる。ただ提案の質を考えると取り組みはまだ不十分だ。
また、立ち上げた成果として融資判断のスピードが少しずつ上がるようになってきた。
―営業担当者が事業性評価に取り組みやすいサポート態勢などは
営業店の評価制度にプロセス評価を加え、昨年度から本格的に導入した。以前のような貸出量の営業目標は撤廃し、企業の課題解決に向けた提案件数などの実績を組み込んでいる。地域を元気にするには目先の収益以上に、行員が取引先の事業や将来性を中長期的に理解し、成長を後押しすることが重要だ。
―金融庁が地方銀行の地元への貢献度をはかるために導入した新指標(ベンチマーク)の取りまとめ状況と今後開示する予定は
すでに自己評価の結果を算出して(中国財務局に)提出し、(自主判断で)近く開示予定だ。開示は取引先にとっても金融機関を選ぶ判断材料になり、私たちにとっても金融仲介機能強化への積極姿勢などをアピールできる利点がある。
―2016年10月に山口フィナンシャルグループ(FG)が発足10周年を迎えた。これまでの歩みと成果を
目標だった総資産10兆円やグループ経営の強化、人事制度の一本化などを達成でき、一つの形が実現できたと思う。次の10年に向け、地域経済の活性化で私たちの成長を導きたいと思っており、経営統合など再編が成長のすべての答えとは考えていない。地域になくてはならない地元金融機関を目指し、グループの総合力をさらに高め、地方創生を推進したい。(土屋裕樹)
よしむら・たけし 下関西高、東京大経済学部卒。1983年に山口銀行に入行。企画畑を歩み、2009年に山口FG取締役、山口銀取締役就任。山口銀常務東京本部長などを経て、昨年6月から山口FG社長、山口銀頭取。下関市出身。56歳。 |
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