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報道記録
報道年月日 2017/01/12
報道機関名 中国新聞
会員名 山口大学、昭和電工㈱徳山事業所、宇部興機㈱
タイトル 農と企業 波長変え野菜成長促す 電力 蛍光灯の半分に
報道記録の内容 植物が育つのに欠かせない光。蛍光灯などに比べ光の波長をきめ細かく制御できる発光ダイオード(LED)が、人工光で作物を育てる植物工場を進化させている。レタスなどで従来の手法を大幅に上回る成長スピードを実現し、国内外で注目されるLED高速栽培法は、山口大農学部(山口市)の研究室で生まれた。
トマトの苗が並ぶ棚の天井から赤と青のLED光が注ぐ。「この光が光合成や成長を促す。光と植物の関係には、まだ面白い現象が潜んでいるはず」。執行正義教授(49)は確信を強めている。

2倍の大きさに

理由は解明されていないが、葉緑素は特定の波長の赤と青の光を最も吸収して光合成することが分かっている。その波長を狙って化学メーカーの昭和電工(東京)が製造したLEDを使い、執行教授が同社と共同開発した高速栽培法が「SHIGYO法(S法)」だ。赤と青の光を交互照射する手法で、2015年に特許を取得した。
人工光の現在の主流は安価な蛍光灯だが、同じ照射時間ならS法はその約2倍の大きさにレタスが育つ。電力消費は約半分だ。
同社で研究開発を率いる鈴木広志シニアマネージャー(61)は「植物工場の一つの時代を突き破った」とみる。野菜の品種や成長段階に応じて赤と青の照射比や強さを調節することで、成長促進に加え、食味を変えたり、栄養成分を引き出したりする成果も上がるという。
人工光の工場は虫や異物の混入が少なく、コンビニや飲食店などを中心に需要が高い。大手から中小まで多彩な企業が参入する中、S法を採用する工場は既に国内三十数カ所に上る。
直近の植物工場ブームは09年、農商工連携の象徴として、国が補助金で企業参入を後押ししたのがきっかけとされる。ただ野粟の単価は低く「薄利多売」は従来農業の構造と同じ。脚光を浴びる一方、昨年は大型事業者の倒産も相次いだ。

失敗がきっかけ
飛躍のきっかけは、研究中の学生のミスだった。時間設定を誤り、赤と青のLEDを12時間ずつ交互に照射し続けてしまう。だが、レタスは予想外の大きさに成長していた。半日ずつ室内を暗くする「夜」も必要とされていた当時の常識を覆した瞬間だった。
「地域企業の技術力も、偶然の発見を支えてくれていた」と執行教授。研究用に密閉性を高めた設備内で光照射などを制御する「人工気象器」は鉄工業などの字部興機(字部市)が製作し、ランプの成形はLED製造販売のトリコン(島根県邑南町)が担った。そして今、次世代の技術として世界へ舞台を広げる。
昨年10月にマレーシアの商業施設内で導入され、アラブ首長国連邦でも近く実証プラントが稼働する。昭和電工や丸紅などの企業連合が、日照時間が少ないロシア、水資源が乏しい中東などへ商業展開を進める。
植物が光を感じる仕組みには、今も謎が多い。負の側面の「光害」も存在する。夜道を照らす街灯が稲の生育を遅らせる現象に着目したのは、山口大発べンチャーのアグリライト研究所(山口市)。街灯や防ガ灯向けに、悪影響の少ない波長のLED照明を技術移転の形で15年に商業化した。
同研究所は農業気象学の知見を生かしたLED型植物工場も手掛けており、字部市の商店街の空き店舗などで導入されている。植物工場は「工業型農業」の最先端とされるが、園山芳充社長(41)は「植物の生理は繊細で複雑だ。単に工業の技術を応用するのでは失敗する」と言い切る。生物学と工学、研究機関と企業の力の融合が欠かせないと考えている。(山本洋子)

―人工光型植物工場
日本施設園芸協会(東京)によると、LEDや蛍光灯など人工光を利用する植物工場や大規模園芸施設は昨年2月時点で191カ所。人工光型の7割近くが2010年以降に稼働し、収支が赤字の工場が半数を超えているとする調査もある。
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