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報道年月日 |
2017/05/19 |
報道機関名 |
日本経済新聞 |
会員名 |
山口大学、周南市 |
タイトル |
下水と海水で水素生産安く 山口大など実験 |
報道記録の内容 |
山ロ大学や山口県周南市は日本下水道事業団などと都市型水素発生システムの実用化に取り組む。下水と海水の塩分濃度差を使って電気を生み水素生産のエネルギー源とするもので、生産コストや設置面積を太陽光発電などよりも大幅に抑えることができる。2020年の装置完成を目指して今夏にも実験プラントを設け、沿岸部の自治体などに採用を働きかける。
この「下水処理水と海水の塩分濃度差を利用した水素製造システム」は濃度の違う液体から電力を得る「逆電気透析」の原理を用いるもので、山口大大学院理工学研究科の比嘉充教授の研究がベースになっている。国土交通省が進める下水道の新技術開発プロジェクト「B-DASH」の 一環として、約3000万円を投じて周南市の徳山東部浄化センター内に実験プラントを設ける。
実験プラントは約40センチ角の陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を相互に200枚程並べ、その間に下水処理水と海水を交互に流し込むという構造。
機器開発は電力システムなどを手掛ける正興電機製作所が担当し、トクヤマ子会社のアストム(東京・港)が交換膜などの素材を開発。実験には山口大などとともに10人程度が参加する。
塩分濃度の違う下水と海水が両交換膜の間を通ることで逆電気透析効果が得られ電力が発生する。昨年、福岡県で行った実験で水を電気分解し水素を生成するのに必要な1.23ボルトの電圧を得ることができることを確認した。
今回の実験プラントが想定通り稼働すれば、1日3万トンの下水処理水で年に約270万立方メートルの水素が得られるという。これは燃料電池車2800台分の燃料をまかなえる数字だ。
生産コストも下水、海水を使い、外部電力もほとんど使わないため1立方メートルあたり36円程度と、太陽光の3分の1、風力や外部電力の半分程度で済む。
システムの設置面積もパネルを要する太陽光や風車を使う風力とは比較にならないほど小さく、天候に左右されることもない。下水処理場内に容易に設置できるため、周辺環境に影響を及ぼすこともないというメリットもあるという。
下水処理水は多くの処理場では放流しており、これを再利用することができるようになる、また水素と共に発生する酸素は下水の処理工程に活用できる。海が近い都市であれば全国どこでも応用できる。
グループでは装置は3 年程度で完成させ、5~10年で実用化を目指す。 周南市では市全体で水素活用に取り組んでおり、今回のプロジェクトも市の水素先進都市構想の中に取り込んでいく。
▼逆電気透析
透折とは溶液に合まれる大きさや性質の違う分子を膜でろ過することで、不純物の除去などに用いる。膜を使って溶液中のイオンを分離・濃縮するのが電気透析で、塩の生産や海水の淡水化に使われる。
逆電気透析は膜を介して濃度の濃い溶液から薄い溶液へイオンが移動する際に生じる電位差を電力として取り出す。
溶液の濃度差があれば利用でき、河口など応用範囲の広いクリーンなエネルギーとして注目されている。オランダでは4カ所の発電プラントが稼働している。ただ、イオン交換膜の生産コストが高く、普及には量産技術の開発が課題だ。 |
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