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報道年月日 |
2018/05/21 |
報道機関名 |
朝日新聞 |
会員名 |
共同産業(株) |
タイトル |
炭に転換 息吹き返す 共同産業 「オガ粉」が原料安定の品質 |
報道記録の内容 |
焼き鳥、焼き肉、ハンバーグ。「炭火」という言葉が頭につくと、よりおいしそうに感じてしまう。そんな名脇役・炭を作り続ける会社が、山口市にある。もともとは製材業の共同産業。一時は廃業寸前まで追い込まれたが、木から炭へと事業を転換してよみがえった。
「ギギギギーッ」。重そうな扉が開くと、約800度に熱せられた釜から熱風が襲ってきた。赤々とした炭が引き出されると、後ずさりするほどの熱気が工場内にただよった。
完成した炭は、ちくわのように中が空洞になっている。「オガ炭」と呼ばれる種類だ。
木材そのものを炭にする普通の木炭に対し、丸太の製材時などに生まれるオガ粉が原材料。それを圧縮し「オガライト」と呼ばれる棒状の固形燃料にしてから、釜に入れる。中の空洞は、圧縮する時の力を分散させるためだ。
作り方が違えば、性質も変わる。「オガ炭は燃焼の具合や時間がある程度均質です」。共同産業の3代目社長、山路裕之さん(45)が特徴を教えてくれた。
理由はこうだ。普通の木炭は、元の木材がどの位置から切り出されたかによって水分量などが異なる。すると、炭にした時の燃え方が一本ずつで変わる。粉が原料のオガ炭は均一に乾燥できるので、品質が安定するという。
特徴をさらに生かす工夫もある。職人の勘に頼りがちな温度調節や加熱時間などをデータとして記録し、管理している。炭によって燃え方が異なると、例えば料理入の手際がおかしくなるかもしれない。そうならないように、同じ燃え方になることを目指している。
本格的に炭を扱い始めたのは約20年前と歴史は浅い。もともとは製材業者で、60年代からはオガライトの製造が中心だった。
だがバブル景気を迎える頃になると、オガライトが使われる場面は減った。かまどやいろりが少なくなり、電気やガスが家庭の中心になった。売り上げも落ち込んだ。当時の社長で裕之さんの父、山路太郎会長(74) は、工場を閉鎖することも考えていたという。
93年、転機が訪れる。央の強い勧めで、太郎さんは内戦で混乱したカンボジアへボランティアに向かった。現地で目にしたのは、衣食住が整わない中でも笑顔で生活する人たちの姿だった。支援する側でありながらエネルギーをもらった。「失う物は何もない」。会社を建て直そうと決意した。
そこで取り組んだのが、オガ炭作りだった。炭を使う場面は家庭では減っても、飲食店ではまだある。そこに活路を見いだそうとした。
試行錯誤の連続だった。オガライトを釜に入れて翌日取り出すと、燃えて何も残っていないこともあった。釜の温度変化、外気の温度や湿度といったデータを集め、失敗を繰り返して質を高めた。軌道に乗り始めた2002年、裕之さんが社長になり、親子二人三脚で販路を広げた。
売り上げは約2倍に伸びた。だが原料価格の高騰や安価な輸入炭の存在など、競争環境は厳しい。裕之さんも「選んでもらえないと生き残れない」と危機感を口にする。
競争力を維持するため、問屋を通さず直売する取引先を開拓した。今後は一般への販売も視野に入れる。だが、それも質が安定しているという強みがあってこそ。「これからも高い品質を維持し、お客さんに喜ばれる商品を作り続けたい」
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