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報道年月日 |
2021/01/21 |
報道機関名 |
宇部日報 |
会員名 |
宇部興産 |
タイトル |
深海でのセメント利用目指す 宇部興産 劣化機構分析、世界で初発表 |
報道記録の内容 |
宇部興産と、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所の港湾航空技術研究所研究グループは、深海でのセメント系材料の劣化機構について共同で調査・分析を行い、結果をまとめた論文を世界で初めて国際学術誌で発表した。世界的に海洋開発の機運が高まる中、深海という特殊な極限環境でのセメント系材料の活用策や海洋インフラの建設技術確立への貢献が期待される。
宇部興産の担当者は建設資材カンパニー技術開発研究所セメント開発部の小林真理研究員の高橋恵輔主席研究員。深海では近年さまざまな海洋資源が発見され、風力など海洋エネルギーの利用も始まっている。将来的には深海域での海洋構造建築が予想され、汎用(はんよう)性が高く耐久性に優れるセメント系材料の利用が見込まれる。
この研究では2015年12月から17年7月にかけて、沖縄県多良間島沖約60キロの海底約1680メートルで、セメントモルタル試験体の暴露試験を行った。試験体の設置、回収は海洋研究開発機構と高知大が協力。設置されたのは水圧約17メガパスカル、水温約4度と、浅海域と比べ非常に過酷なかんきょうだった。
608日後に試験体を回収したところ、表層が際立って変化し、手で触ると一部が剥がれ落ちるほどだった。圧縮試験で強度の低下も確認された。試験体を分析した結果、カルシウムが著しく溶脱していることが判明。さらに、海水中の炭酸イオンや硫酸イオン、マグネシウムイオンが侵入し、新たにもろい水和物を生成したことで、試験体表層の形状が変化し、強度の低下など物理特性の変化をもたらしたと結論付けた。
今後は、深海域で高水圧が試験体に与えるダメージと科学的な劣化との関係について詳しく検討していく予定。深海でセメント系材料を利用するための試みは始まったばかりで、これから材料設計や施工方法、構造物の設計手法など多岐にわたる研究開発、技術の確立が求められる。宇部興産と同研究は、国内外の大学や研究機関との連携を拡充し、さらに研究開発、技術の確立を進めていく。
この研究は、英国の科学雑誌「セメント・アンド・コンクリート・リサーチ」142号に掲載され、15日からオンライン公開されている。 |
関連URL |
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