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報道年月日 |
2021/06/30 |
報道機関名 |
中国新聞 |
会員名 |
山口大学 |
タイトル |
有害塩素抑え水素得る触媒 山口大院グループ開発 |
報道記録の内容 |
山口大学大学院創成科学研究科の中山雅晴教授(電気化学)たちの研究グループが、海水の電気分解で水素を得る際に有害な塩素の発生を抑える触媒を開発した。二酸化マンガンを独自の特許技術で加工して電極に使う。クリーンエネルギーとして期待されている水素の簡易な生成方法として広がる可能性がある。
水素は燃やしても二酸化炭素(CO2)を出さないが、多くは化石燃料からつくられている。風力発電など再生可能エネルギーを使って海水を電気分解すれば、CO2を出さずに水素を得られる。ただ陰極から水素が発生すると同時に、陽極から塩素も出る。塩素は有害で扱いにくく、特別な設備が要る。
中山教授たちは別の研究で二酸化マンガンを使って塩素の発生を抑制できることに気付いた。中山教授が特許を持つ技術で積層構造の二酸化マンガンを陽極にメッキ加工し、300度以上で加熱処理する。海水を電気分解すると、塩素ではなく酸素が発生した。海水にアルカリを添加するなど水素と酸素を発生させる技術はこれまでも知られていたが、より簡単に生成できるという。
今後、塩素が出なくなる詳細なメカニズムを研究し、実際の海水を使って耐久性を調べる。中山教授は「マンガンは安価で環境負荷が低い元素。無尽蔵にある海水と再生可能エネルギーの活用が、水素社会の実現につながれば」としている。
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