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報道年月日 |
2021/08/18 |
報道機関名 |
日本経済新聞 |
会員名 |
山口県 |
タイトル |
廃プラ輸入規制「逆戻り」新興国、原料不足受け |
報道記録の内容 |
廃プラスチックの輸入禁止に動いていた新興国が相次いで政策を逆戻りさせている。タイは全面禁輸を5年延期し、トルコは7月に始めた規制をわずか8日で撤回した。2017年に中国の規制で行き場を失った廃プラが新興国に流れ込むと、各国は「世界のゴミ捨て場」となることを恐れ、相次いで輸入規制を強化した。ただ新興国の資源ごみ回収の仕組みは依然として整っておらず、再生プラの原料が不足する事態となり、政策の見直しを余儀なくされている。
タイ政府は6月、22年1月に予定していた廃プラの全面輸入禁止を5年間延期する方針を明らかにした。タイでは中国の輸入規制後、廃プラの輸入が急増。ピークの18年には廃プラの輸入量で世界4位まで上昇した。規格を満たさない汚れたごみの輸入や不法投棄が問題になり、タイ政府は規制を強化していた。
トルコは7月上旬、廃ポリエチレンテレフタレート(PET)などの輸入を禁止したが、わずか8日後に規制を撤回した。同国では欧州からの廃プラの輸入が急増。20年には重量ベースで世界最大の廃プラ受け入れ国となっていた。
一時は「世界のごみ捨て場ではない」としてプラごみを積んだコンテナを送り返すなど強硬姿勢をとっていたマレーシアも態度を軟化させている。3月には米国から送られた廃プラについて「汚れたものではない」と写真付きの声明を出し、受け入れた。
背景には、新興国内での再生プラ原料の不足がある。環境意識が高まるなか、各国は高いリサイクル目標を掲げるが、資源ゴミ回収システムは十分に整っていない。国内だけで再生工場を安定運用できるだけの廃プラを集めるのは困難だ。
自国で確保できる廃プラの品質の問題も残る。タイでは清涼感を演出するため、水などのペットボトルに薄い青色の塗料を混ぜていることも多い。塗料が混ざることでリサイクルした際、品質が下がるという。
供給源に直面したリサイクル業者は輸入制限を見送るよう求めていた。タイでは足元で仏スエズや地場大手PTTグローバルケミカルが再生プラ工場を開設するなど、リサイクル事業への投資が拡大。現地紙によるとタイに拠点を置く中国系のリサイクル業者は「廃プラが足りず、損失が出ている」と当局に訴えた。
マレーシアプラスチック製造業者協会(MPRA)は4月「無差別に輸入禁止を求めることはマレーシアンの循環型経済と持続可能性の発展を遅らせ、妨害する」という内容の声明を出した。
新興国が廃プラの輸入禁止に動いたのは、世界最大の廃プラの受け入れ国だった中国が17年に輸入を制限したことがきっかけだ。あふれた廃プラが東南アなどの新興国に向かい、各国では規制強化で自国への流入を防ぐ機運が高まった。
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