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報道年月日 |
2021/08/24 |
報道機関名 |
日本経済新聞 |
会員名 |
東ソー |
タイトル |
卵巣がん診断マーカー 横浜市立大・東ソーが発売 |
報道記録の内容 |
横浜市立大学と東ソーは卵巣がんの診断マーカーを開発し、同社が発売した。卵巣がんの中でも悪性度の高い「卵巣明細胞がん」という種類を診断できる。がん細胞が作り出し、血液中に漏れ出した特定のたんぱく質を検出する。早期発見や治療方針を考える際に役立つと期待している。
卵巣がんは年間約1万3千人が罹患し、約5千人が死ぬ。卵巣がん全体の約4分の1を占める明細胞がんは若年層で増加しており欧米人よりも日本人に多い。
抗がん剤の治療効果が低く、がんが広がる前に手術で取り除く必要がある。既存のマーカーでは検出できない場合が多く早期に正確に診断できる手法が求められている。
研究チームは卵巣がんの中でも明細胞がんが、「TFPI2」というたんぱく質を多く作り出していることを発見した。このたんぱく質だけに付く抗体を作り、血液で診断できるマーカーを開発した。最短20分ほどで結果がでる。
卵巣に腫瘍がある人を対象に使ったところ、明細胞がんの人の陽性率は71%となった。既存のマーカーでは明細胞がんの陽性率は62.3%にとどまった。良性の腫瘍を見つける能力も85.7%と高い。卵巣がん全体では早期のステージ1で、既存の診断マーカーだけでは陽性率が56.2%だったが、開発したマーカーを併用すると70.4%に高くなった。
研究チームは「既存の診断マーカーに置き換わるのではなく、併用して検出率を上げるのが利点だ」と指摘する。手術をした後の治療中や経過観察中の人を対象に、開発したマーカーの値がどのように変動するのかも検証している。
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