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報道記録
報道年月日 2021/09/10
報道機関名 日本経済新聞
会員名 基礎素材型産業
タイトル 素材 広がる設備再稼働
報道記録の内容  素材企業が休止設備を相次ぎ稼働させる。旭化成は韓国の樹脂原料工場を7年ぶりに動かす。東京製鉄も岡山県で鋼板生産を再開する。国内素材産業はこれまで汎用品の過剰設備の集約を優先してきたが、新型コロナウイルス禍からの経済回復で急速に高まった需要に対応する。古い設備の再稼働は生産刷新を遅らせ、生産性の改善を阻むリスクもある。

 旭化成は2022年に樹脂や繊維の原料となるアクリロニトリル(AN)をつくる工場を再稼働させる。設備を改良し生産を再開する。投資額は明らかにしていない。同工場の生産能力は約7万トンで会社全体の能力は100万トンと1割増える。
 ANは自動車や家電に使うABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、衣服などに使うアクリル繊維などの原料だ。足元で車や家電向けの需要が急回復した。医療用ゴム手袋向けなどコロナ下で新たな需要も生まれた。
 旭化成は日本とタイにもAN工場を持ち、生産能力はスイス化学大手のイネオスに次ぐ世界2位だ。低価格を売り物にした中国メーカーに押されて15年に韓国の工場は休止していたが、中国メーカーの生産不良などがあり、かねて休止工場の再稼働を探っていた。需要回復局面で再稼働させ、供給拡大につなげる。
 電炉大手の東京製鉄は岡山工場で23年度にも、鋼板生産を再開する検討に入った。建材や産業機械に使う熱延鋼板を生産する。現在、鋼板生産は田原工場(愛知県田原市)が担い、21年度は120万トンの生産を計画しているが、岡山工場で将来は60万トンをつくることを検討する。
 岡山工場の鋼板生産は15年に休止した。中国メーカーとの価格競争に苦戦したためだ。ただし、足元は鋼板需要が急回復しているのに加え、サプライチェーン(供給網)の環境対応を求める動きが急速に進む。鉄スクラップを原料とする電炉製鋼材生産の二酸化炭素排出量は石炭を使う高炉製鋼材の4分の1とされる。ニーズが高まるとみて、設備再稼働を検討する。
 樹脂原料や建設用鋼板といった素材分野はこれまで、国内市場の縮小や価格競争力が高い中韓メーカーとの競争激化をうけ、国内設備の統廃合が進んできた。
樹 脂関連では16年に三菱化学(現・三菱ケミカル)と旭化成が岡山県で石化基礎原料エチレンを生産する期間設備を統合した。日本製鉄は25年度までに広島県や和歌山県などで基幹設備の高炉を4基休止し、粗鋼生産能力を2割減らす計画だ。
 ただし、足元は生産量や設備稼働率が急回復する。エチレンの21年1~6月の生産量は前年同期を約11%上回った。同じ期間での2桁増は8年ぶり。7月は設備の定期修理もあり前年同月比で減ったが、設備稼働率は93%超で、好不況の目安となる90%を14カ月連続で超えた。粗鋼生産量も1~6月は前年同期比約14%増だった。
 市場環境の変化を受けて、設備集約から一転し、再稼働で能力を高めるメーカーが出てきた。これは一過性の動きにとどまらない可能性がある。
 米中摩擦やコロナ下で、サプライチェーンの寸断リスクが改めて明らかになった。「装置産業」である素材分野は、地政学リスクよりもコストを優先して中国などへの生産集約が進んできたが、再び分散する可能性が出てきている。急ピッチで進む環境対応もサプライチェーンを変えそうだ。
 ただし、日本の製造業は設備過剰や「設備年齢」の高齢化が指摘されてきた。足元の需要回復が短期にとどまれば、再稼働設備が再び重荷になるリスクがある。休止設備の活用は迅速に生産を拡大できる利点がある反面、新工場の設置に比べ、抜本的な設備刷新が遅れる可能性もある。休止設備の活用で収益を高めながら生産技術の刷新に資金を振り向けていく努力が必要となりそうだ。
 中国メーカーなどとの競争がなくなるわけではない。韓国ではエチレン設備が相次ぎ再稼働した。中国では現地メーカーが22年度予定としていたAN新工場の稼働時期の前倒しを検討しているとされる。旭化成も「10月以降は中国競合の新工場稼働などで需給が緩む」とみる。
 中国の景気回復の先行きも懸念材料だ。日本工作機械工業会によると、6月の中国向け工作機械受注額は280億円と5カ月ぶりに前月実績を下回った。7月は303億円とやや持ち直したものの、直近のピークだった5月と比べると約22%減った。中国景気が減速すれば一気に緩みかねない。

(記事中の表を一部抜粋)
三井化学:韓国でポリウレタン原料を増産。設備増強などに400億円を投じ、生産能力を約5割増の年61万トンに

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