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報道記録
報道年月日 2021/10/23
報道機関名 山口新聞
会員名 三井化学など
タイトル ものづくり現場 脱炭素対応急ぐ
報道記録の内容  脱炭素に向け、ものづくりの現場が環境対策を本格化させている。化学製品の原燃料を植物由来に置き換えたり、自動車の塗装方法を見直したりして二酸化炭素の排出削減を強化。一方、脱炭素化への巨額投資とコスト拡大で、雇用や業績の悪化の懸念もくすぶる。

 二酸化炭素排出の多い化学メーカーも対応を急ぐ。三井化学は近く、大阪工場のエチレンプラントで、植物油廃棄物でつくったバイオマスナフサを原料に使う。国内の化学工場では初の取り組みで、従来の石油系ナフサに比べ二酸化炭素排出量を大幅に減らせる。
 旭化成は国内最大の生産拠点である宮崎県延岡地区で、水力発電所を大規模改修し発電能力を引き上げる計画だ。住友化学は11月から大分工場の購入電力を全て再生可能エネルギーに切り替える。
 自動車生産で二酸化炭素排出が多い塗装工程を変更したのは日産自動車だ。栃木工場で鉄製のボディーと樹脂製のバンパーを同時に塗装できる設備を導入した。使用エネルギーを25%減らせるという。
 トヨタ自動車は、2030年にハイブリッド車や電気自動車など電動車の世界販売を800万台に増やす目標を掲げる。現状の新車販売の約8割に当たる。電池分野には30年までに1兆5千億円を投じる。
 半面、豊田章男社長は業界団体トップとして「敵は炭素であり、内燃機関(エンジン)ではない」と強調。国際的にエンジン規制が一段と強化され、車の輸出が難しくなれば「(国内自動車産業の)550万人の雇用の大半を失う可能性がある」と警鐘を鳴らす。
 三菱ケミカルホールディングスは、脱炭素の設備投資として30年までに1千億円を見込む。温室効果ガス排出の実質ゼロには合計で5千億円超が必要になると概算しており、財務面の負担は小さくない。

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