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報道年月日 |
2021/11/05 |
報道機関名 |
朝日新聞 |
会員名 |
脱炭素 |
タイトル |
世界は脱炭素火力 廃止声明40カ国 日本賛同せず |
報道記録の内容 |
英国で開かれている国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)で、脱石炭を目指す動きが加速している。日本は石炭火力発電所への公的な輸出支援をやめることは決めたが、議長国の英国などが求めているのは国内も含めた廃止だ。今後も使い続ける日本への風当たりが強まっている。
議長国の英国が「エネルギーデー」と位置づけた4日、英国主催のイベントで石炭火力についての声明が発表され、40以上の国が賛同した。声明は、石炭火力が気温上昇の唯一最大の原因で、温室効果ガスを排出しない電力の導入を早急に広げる必要があるとした。
具体的には、先進国などは2030年代、世界全体で40年代に石炭火力を廃止し、ガス排出の削減策のない新たな発電所の建設を中止し、公的な輸出支援も終える―ことなどを約束する内容だ。日本や輸出支援をしてきたベトナムなどの途上国も加わったが、日本は賛同していない。地元メディアにようると、米国や中国なども入っていない。
COP26のシャルマ議長はイベントで「『石炭の終わり』が目前に迫っていると信じている」と語った。
COP26の会場では4日、石炭火力からの撤退を求めるイベントが相次いで開かれた。
主要7カ国の欧州勢は30年代までに全廃する方針で、米国も35年に電力を脱炭素化する戦略をかかげる。廃止時期を示していない日本に矛先が向けられるのは明らかだ。
英国のジョンソン首相はCOP26に向けて、各国に石炭火力をやめるよう求めてきた。COP26の開幕式でも「我々は石炭火力をやめることができる」として先進国は30年、途上国は40年までの廃止を求めた。
英国政府によると、ジョンソン氏は2日に岸田首相と会談した際、脱炭素の取り組みを歓迎しながらも、「脱炭素の新たな誓約を期待する」と改めて申し入れたという。日本政府の公表資料には、要請があったという記載はない。
岸田政権は、菅前政権から引き継いだエネルギー基本計画を10月に閣議決定。30年度の電源に占める石炭火力の割合を「19%」と想定する。19年度の実績である32%からは約4割減らすが、電力の安定供給には一定量は頼らざるを得ないという立場だ。経済産業省幹部は「譲歩はあり得ない」と話す。
政府は当面は石炭火力を使いつつ、二酸化炭素の排出を抑える「脱炭素化」を進めるとしている。その「切り札」の一つが、燃焼時に二酸化炭素を出さないアンモニアを石炭に混ぜて燃やす取り組みだ。
経産省によると、大手電力が所有する石炭火力70基で20%の「混焼」が実現すると、年間4千万トンの二酸化炭素削減につながる。すべてアンモニアにする「専焼」なら、電力部門の排出量の約半分にあたる2億トンを減らせるという。2日にCOP26で演説した岸田首相も、こうした火力発電の「ゼロエミッション化」でアジアの排出削減に貢献していくと述べた。
ただ、例外的に途上国などへの輸出支援が認められる石炭火力は、排出した二酸化炭素を回収・利用・貯留するCCUSと呼ばれる次世代技術を備えたものを指す。40以上の国が署名した声明でも、日本が考えるような「ゼロエミ火力」の輸出は想定されていない。
さらに、実用化の見通しも不透明だ。政府は25年以降、国内の石炭火力で「混焼」への転換を進め、40年以降に「専焼」に切り替える青写真を描くが、実現は簡単ではない。
課題の一つがアンモニアの安定供給だ。経産省によると、「20%混焼」の実現には1基(100万キロワット)あたり年50万トンが必要という。アンモニアは化学肥料にも使われ、貯蔵や運搬技術はあるものの、国内の消費量は約100万トンにすぎず、海外を含めた供給網の確立が欠かせない。
二酸化炭素の削減効果にも課題を残す。アンモニアの製造に必要な水素は、天然ガスなどの化石燃料から取り出すのが一般的だ。政府は製造時に排出される二酸化炭素を分離・回収したり、再生可能エネルギーの電力でアンモニアをつくったりする技術開発も後押しするが、コストなどに課題がある。
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