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報道年月日 |
2021/11/30 |
報道機関名 |
日本経済新聞 |
会員名 |
脱炭素 |
タイトル |
環境省、来年度にファンド 脱炭素民間投資へ呼び水 |
報道記録の内容 |
環境省は2022年度、民間企業が取り組む地球温暖化対策の事業に出資する「脱炭素官民ファンド」を創設する。民間資金と合わせた総事業費で1000億円規模を目指す。30年度までに温暖化ガス排出量を13年度比46%削減する目標に向けて、太陽光発電の導入や木材の燃料利用などに投資し、民間資金を呼び込みたい考えだ。
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)などの試算では、50年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにするには世界で総額90兆ドル(約1京円)、日本国内で年8兆円の資金が必要とされる。だが足元では再生可能エネルギーや省エネルギーといった脱炭素分野への国内投資は5兆円程度にとどまる。
経済産業省が20年度第3次補正予算で始めた10年間で総額2兆円を投じる「グリーンイノベーション基金」は蓄電池や水素といった次世代の脱炭素技術の研究開発・普及の支援に使途が限られている。民間企業が既存技術を使って温暖化ガスの排出削減に取り組むプロジェクトにもリスクマネーを供給できるファンドを新設し、民間企業によるESG(環境・社会・企業統治)投融資の呼び水にする狙いだ。
国が保有するNTT株の配当金などを財源として民間事業に出資する「産業投資」の仕組みを活用し、株式会社を創設する。ファンドを法的に位置づけるため、環境省は22年の通常国会に地球温暖化対策推進法改正案を提出する方針だ。設置期間は50年度までの約30年で、温暖化ガスの排出を実質ゼロにする長期目標の達成に向けて民間の事業を後押しする。
財政投融資から200億円を投じるほか、温暖化対策に積極的な民間企業からも数十億円の出資を募る。事業で消費する電力の100%を再エネでまかなう「RE100」に賛同する企業のほか、企業単位で50年実質ゼロの目標を掲げて取り組む「SBT」の認定を受けた事業会社や金融機関などを想定する。環境省は具体的な企業や金融機関と調整を始めた。
ファンドが出資を想定する脱炭素プロジェクトは幅広い分野を対象にする。固定価格買い取り制度(FIT)を使わない自家消費型の太陽光発電、工場で発生する二酸化炭素を回収し地中に埋めるCCSなど温暖化ガスの排出削減に直接つながる事業を支援する。
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