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報道記録
報道年月日 2021/12/16
報道機関名 山口、中国、朝日新聞
会員名 周南市、東ソー、トクヤマ
タイトル 周南市、4社と連携協定 市有林にバイオマス材植樹へ
報道記録の内容 【山口新聞】
 周南市は15日、地元産の木質バイオマスをコンビナートで利用してもらおうと、企業4社と森林整備などに関する連携協定を結んだ。企業は市有林での植樹に向けて検討に入る。
 市が協定を結んだのは、出光興産、東ソー、トクヤマ、丸紅の4社。市内の火力発電所では石炭を主燃料としてきたが、脱炭素を推進するためバイオマス燃料の比率向上に取り組んでいる。4社はいずれもバイオマスを利用した発電所を稼働しているか来年の運転開始を予定している。日本では木質バイオマスの多くを輸入材に頼っているが、地産地消することで輸送にかかる費用や環境負荷の低減が期待される。
 戸田地区の市有林約7ヘクタールを今回の事業候補地の1つに挙げている。事業の手法や規模は本年度中をめどに市が各社と詰める。市農林課によると、コンビナートの主要企業複数社が自治体の地元産木質バイオマスの確保で連携するのは全国でも珍しいという。
 協定締結式が市役所であり、藤井律子市長が各代表者と協定書を交わした。藤井市長は「
脱炭素化をリードする第1歩となることを期待する」、丸紅の桑原卓也チップ・建材部長は「合法で持続可能な森林資源を確保するのが重要になる。全国に先立つ周南モデルを広げたい」と話した。

【中国新聞】
 木質バイオマスの地産地消を促すため周南市は15日、周南コンビナートでバイオマス発電に取り組む4社と連携協定を結んだ。各社の資金や治験を市有林の整備に生かす。全国でも珍しい脱炭素のモデル事業の実現に向け、植林の計画づくりを本格化させる。
 いずれも総合化学メーカーの東ソーとトクヤマ、市内に徳山事業所がある出光興産、総合商社の丸紅が市と個別に協定を結んだ。市西部の市有林7ヘクタールを候補地に市と各社は植林の規模などを詰める。樹種は15~20年で伐採できる早生樹を軸に検討する。
 コンビナートでは、東ソーが自家発電所で石炭とバイオマスを混焼している。トクヤマと丸紅も共同で混焼の発電所(出力30万キロワット)の運転を2022年度に始める予定。出光はバイオマス専用の発電所(出力5万キロワット)を22年度稼働に向けて建設している。
 現状ではバイオマスの燃料を輸入に頼っている。地産地消にすると安定的な調達を期待できる判明、コストなど経済性の実証が欠かせない。山林の整備で地域に貢献したい各社の思いもある。
 この日、市役所であった締結式で藤井律子市長は「日本の脱炭素をリードする第一歩になることを期待している」と強調した。丸紅の桑原卓也チップ・建材部長は「海外での植林やバイオマス輸入の知見を生かし、林業の活性化につながる事業を展開したい」と意気込んだ。

【朝日新聞】
 木質バイオマス材を生産するための植林に、周南市と周南コンビナートの企業が共同で取り組むことになった。成長の早い樹木を市有林で育てて実証し、コンビナートの火力発電所に提供。将来は民有林にも広げたい考えで、エネルギーの地産地消をめざす。市は15日、企業4社と個別に連携協定を結んだ。
 周南コンビナートには石炭火力自家発電所が東ソー(出力計77万6千キロワット)とトクヤマ(同51万7千キロワット)にある。バイオマスの混焼率の向上を検討しており、トクヤマは4基のうち1基をバイオマス専焼にする計画。2022年には出光興産のバイオマス発電所(出力5万キロワット)と、周南パワーバイオマス発電所(同30万キロワット)が稼働する予定だ。
 市は1月、コンビナートの6社、周南森林組合、県、学識経験者と、地元の木質バイオマス材の利用を進める協議会を設立。構成企業に実証事業への参加を募り、手を挙げた東ソー、トクヤマ、出光興産、丸紅の4社と共同で取り組む。
 実証では、植樹から伐採まで15年程度と成長が早い早生樹の最適な樹種の選定、安価で効率的な管理や流通の方法、費用負担などの仕組みを各企業とつくる。市内の向嶽地区の7ヘクタールが候補地で、企業側が植樹、市が管理を担当することも検討している。
 東ソー南陽事業所の稲毛康二副所長は「木質バイオマス材が安価で安定的に調達できることになれば、自家発電のCO2削減につながる」。バイオマス材の輸入も手がける丸紅の桑原卓也チップ・建材部長は「量を確保するには海外から調達せざるを得ないが、日本にもこれだけ森林資源がある。本協定を進めることで国内の森林産業を活性化させ、周南市のモデルが全国に広がれば」と話した。
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