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報道年月日 |
2022/02/16 |
報道機関名 |
朝日新聞 |
会員名 |
脱炭素 |
タイトル |
太陽光パネル迫る大量廃棄 2030年代に寿命ピークリサイクル態勢急務 |
報道記録の内容 |
再生可能エネルギーとして期待される太陽光発電だが、使われている太陽光パネルの多くが2030年代に寿命を迎える。大量のゴミを生み出し、放置すると有害物質が漏れだす危険もある。処理の仕組みを整えることが急がれるなか、企業による新たな取り組みも始まっている。
約300度に熱した刃で太陽光パネル表面のガラスをはがし、樹脂や同など材料ごとに分解していく―。パネル製造を手がけてきたエヌ・ピー・シー(東京)は19年、9割以上の材料を再資源化する機械を開発し、販売を始めた。
1台の処理応力は1分あたり1枚で、年間では最大約14万枚。価格は1台1億円と高価だが、国内でこれまで5台を売り上げた。昨年はフランスからも注文を受けた。伊藤雅文社長は「日本より前に太陽光が普及したヨーロッパでは既に需要が生まれている」と話す。
太陽光発電は12年の固定価格買い取り制度を機に国内で急速に拡大した。パネルの耐久期間は20~30年間といわれ、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の推計によると、ピークとなる36年ごろには年間17万~28万トンの使用済みパネルが出る見込みだ。
再利用する手もあるが、古いモデルは発電効率が低く買い手がつきにくい。分解することでアルミや銀など価値の高い材料を取り出せば、他の機械製造に使うことができる。
新見ソーラーカンパニー(岡山県新見市)は水蒸気を使う機械を開発中だ。約600度に熱した水蒸気でプラスチックを気化し、残ったガラスや銅など9割超を回収するといい、23年ごろの商用化を目指す。出光興産傘下のソーラーフロンティアは硝酸を使って貴金属などを取り出す技術を開発した。取り出した物質をリサイクルする事業を24年度にも始めたいとする。まずは年3万枚ほどの処理から始め、需要拡大に合わせて規模を大きくしていく方針だ。
ただ、こうした取り組みだけでは解決しきれない問題もある。
パネルは鉛などの有害物質を含むが、水の浸入を防ぐ設計上、分解にも手間がかかる。処理しきれないものは埋め立てに回るが、ゴミが減らないと、産廃処分場も35年ごろには容量がいっぱいになるとされる。
発電事業者が負担する廃棄費用も課題だ。資源エネルギー庁によると、廃棄費用を積み立てていない事業者は19年時点で全体の8割にのぼる。今後、パネルが放置される懸念もある。
国も対策を急ぐ。20年には再エネ特措法の改正で10キロワット以上の事業について積み立てを義務化。今年7月から実際の適用が始まる。ただ、規制逃れのために事業区域を分割して規模を小さくみせる事業者もあり、どこまで実効性を高められるかが課題だ。
ソーラーフロンティアの竹中勝志・PVリサイクル準備室長は「処理の仕組みが確立されなければ、新たに太陽光の発電所を建てるのも難しくなる。リサイクルした資源の認証など、資源循環を促す制度設計も求められる」と指摘する。
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