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報道記録
報道年月日 2012/08/06
報道機関名 週間 循環経済新聞
会員名 飯森浩一  岩国ウッドパワー
タイトル 国内初の木質チップ専焼1万KW級 ~新制度追い風に林業活性化へ~
報道記録の内容 安定した発電と雇用の創出

中四国地域木質バイオマス発電事情

買取制度がもたらす未来図

今年7月、再生可能エネルギー固定価格買取制度が開始された。同制度で定める木質バイオマスの買取価格は、1キロワット時間当たり(税抜)未利用木材で32円、一般木材は24円、リサイクル木材が13円に決まった。今後盛んになるであろう木質バイオマス発電だが、ここでは豊かな山林を有する中国地方で先行して木質バイオマス発電事業を進めるミツウロコ岩国発電所(旧・岩国ウッドパワー)の飯森浩一取締役のインタビューを紹介する。


国内初の木質チップ専焼1万KW級
  新制度追い風に林業活性化へ

 インタビュー

――――木質バイオマス発電事業を始めた経緯を教えてください。
飯森 計画が持ち上がったのは9年前です。樹木リサイクル協会の視察で、スウェーデンやオーストリアなどのバイオマス発電事例を見ており、日本でも事業化が可能ではないかと考えました。当時、協会でアンケートをとったところ、協会全体で約40万トンの木質チップが発生しているということで、それをまとめて発電に使えないか検討を開始しました。さまざまな企業に協力を呼び掛けたところ、ファーストエスコが主体となって、岩国で国内初の木質チップ専焼1万キロワット級発電所を設置したのです。

就任後赤字から黒字化へ
――――岩国発電所は、2006年1月より岩国ウッドパワーとして操業を開始され、現在はミツウロコに事業主体が変わっていますね?
飯森 昨年2月1日にファーストエスコはミツウロコに事業を譲渡しました。それまで私は、木質燃料を岩国発電所に納める1事業者(飯森木材)でしたが、同日よりミツウロコ岩国発電所の取締役所長として勤めることになりました。当時、発電所は赤字が続いていたため、さまざまな部分で経費を削減し、チップの受け入れ量を調整することで、現在は黒字に転換しています。
――――どの程度の発電能力で採算がとれますか?
飯森 林野庁の発表にもあった通り、買取制度下では1時間当たり5000キロワットの発電能力で採算がとれると思います。従来のRPS法では、同じ発電能力でも採算はとれないと考えられます。また、山林の間伐材や林地残材などの買取価格が高く設定され、採算性は大幅に向上しました。木質バイオマス発電事業の新規参入を大きく後押しすることになるでしょう。
――――発電事業で難航したことは?
飯森 近隣の製紙メーカー等が発電用や予備燃料などとしてチップを集めたため激しい獲得競争があり、投入するチップが不足する問題がありました。このチップ不足と、それによる値段の高騰が、かつての赤字の主な原因でした。

間伐材利用で林業活性化へ
――――制度開始を受けて発電事業にどのような変化が見受けられますか?
飯森 対象となる木材が増えたことで、これまでより燃料を容易に集められると思います。従来は、解体チップが足りずに九州から船で調達するなどして稼働させていました。買取制度の対象に輸入チップ、PKSなどが入り、製材のくずや外材の皮などを使っても一般木材の24円の買取価格として扱われます。そういったものを利用すれば、足りない部分が補えるでしょう。加えて、林地残材や間伐材が使えれば、入手に苦労している解体チップの需要が次第に減るのではと考えます。
――――投入している木材の種類は?
飯森 現在は、廃棄物系の建築廃材と生木系の廃材(せん定材など)を半々で混焼しています。未利用材は山林からの伐採・運搬費用を考慮して買取価格32円という高価格に設定されていますが、それだけで利益になるというわけではありません。利益率はどれも似通っているので、発電所として未利用材ばかりを使いたいということはなく、24円の一般木材を中心に燃やしています。ですが、林業活性化のために間伐材が出てくれば出てくるだけ買い取る予定です。
――――はっきりとした燃料購入額の取り決めがないと、混乱が起きないのでしょうか?
飯森 林野庁が既にガイドラインを発表していまして、1トン当たりの水分率40%の木で1万2000円という購入価格を推奨しています。一般的に山から切り取った木の水分率は55-60%あるので、生木で1トンあたり8000円と換算し、それを乾燥したものであれば1トン当たり1万円というのが林野庁の考えなのでしょう。岩国発電所でも、その価格帯で購入する予定です。
――――その購入価格は現実的なのでしょうか?
飯森 まず妥当な価格でしょう。供給側としても、建設用材を出しつつ残材をチップ化すれば十分採算がとれる価格ですね。あまり差のない価格で製紙原料チップが販売されていますが、そうしたチップまで発電用の燃料として買うわけにはいかないので、当社は林地残材の証明のついたものの購入を進める考えです。これから買取制度の申請をして、10月位から購入できればと考えています。

雇用の創出や地産地消に大きく貢献
――――木質バイオマス発電ならではの特徴はありますか?
飯森 風力、太陽光は発電の時間帯が限られていますが、木質バイオマスは24時間安定した発電を行えます。また、燃料の伐採や発電所の管理等で雇用創出につながるといった効果が見込めるでしょう。
――――今回の買取制度で気になる点は?
飯森 国有林、保安林、森林経営計画に則った木材燃料で発電した電力のみが32円で買い取られる点を見直して欲しいと思っています。この制限のため、一般の山から切り取ったものでは24円しかなりません。森林経営計画は、50ヘクタール以上の森林の管理を規定するものですが、全国でその規模の山も持つ個人は限られています。小規模の山の持ち主複数人で森林計画を立てるしかなく、一般の林業家では困難です。加えて近年では、林業離れのため森林の所有者がわからない事態が増えています。林業を活性化させるためには、一般の山から切った木材も32円として使わせて欲しいですね。
――――制度の開始で地域にどのような効果が見込まれますか?
飯森 中国地方では、沿岸部との格差が激しい山間部での産業振興が考えられます。例えば、山間部の送電線につなぎ発電所を設置して、50キロメートル圏内で燃料を集める方法をとることで、林業の活性化、雇用の創出、木材の地産地消に大きく貢献できるでしょう。
――――本日はありがとうございました。
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