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報道記録
報道年月日 2012/09/28
報道機関名 読売新聞
会員名 田中金属
タイトル ゾウのフン 楽々堆肥化
報道記録の内容 年末完成 農家配布やエサ栽培に

 美祢市の秋吉台サファリランドは27日、ゾウのフンや園内のレストランの食べ残しなどを効率よく堆肥化する施設の整備を始めた。年末に完成予定で、堆肥は農家に配ったり、エサとなる野菜の栽培用に使ったりする。取り組みを環境教育として小中学生に紹介する計画もあり、同ランドは「リサイクルで地域貢献したい」としている。

 フンを堆肥化できる園内の草食動物はアフリカゾウ、サイ、シマウマ、ラクダなど約10種。1日あたりのフンは約650キロにのぼり、半数以上が4頭のアフリカゾウのものだ。現在はトラックで集め、職員2人が週1回、半日かけてショベルカーで混ぜている。負担が大きいうえ、フンに十分空気を送り届けることができず、堆肥になるまで半年ほどかかるという。
 そこで目を付けたのが、松江市のリサイクル装置メーカー「ミライエ」などが特許を得た堆肥製造装置。コンプレッサー(圧縮機)を24時間稼働し、フンに酸素を送り続けて発酵させることで、約3ヶ月で「軽くて良質な堆肥」ができる。
 池辺祐介園長は「労力と時間の問題を同時に解決できる」と期待。効率的に堆肥化できるため、フンだけでなく、廃棄している園内のレストランの生ごみや食べ残しも再利用することに。県の「廃棄物減量化・リサイクル推進事業」制度を活用し、施設整備に必要な約1200万円の3分の1は県の補助を受ける。
 実験的に、装置で作った堆肥を近隣の農家に配ったところ、「ぜひ使わせてほしい」と評判は上々だった。園内の農園でも活用し、アフリカゾウの好物のニンジンなどを栽培する。地元の小中学生が体験学習で訪れた際には、フンの利用法を伝え、堆肥で育った野菜を動物に与えてもらい、リサイクルを体感できるようにするという。
 河田公典動物部長は「良質な堆肥として農家に認めてもらえたら、商品化して来園客らにPRしたい」と意気込む。
 日本動物園水族館協会(東京)の荻須哲三事務局長は「ここまで本格的に堆肥化に取り組む動物園は珍しい。リサイクルを目に見える形で実践するという意味でも意義深い」と評価している。
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