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報道年月日 |
2014/02/13 |
報道機関名 |
中国新聞 |
会員名 |
やまぐちエコ市場 |
タイトル |
工場群 老朽化で縮小 |
報道記録の内容 |
周南市の石油化学コンビナートで3月末、一群のプラントが57年間の操業を終える。出光興産徳山製油所が石油精製から撤退し、コンビナートが形成される契機となった象徴的な存在は残り2カ月足らずで火を消す。
稼働率70~80%
人口減少やエコカー普及などでガソリンなど石油の需要が低迷。同社は国内4カ所にある精油所の中で、1957年操業と最も古く、精製能力が最小の徳山を廃止する経営判断をした。
徳山精油所は石油化学製品をつくる隣の徳山工場と4月に統合される。コンビナート企業にエチレンなどの原材料を供給する役目を続ける一方、石油に輸送基地に転換。同社は石油精製プラントの跡地を利用し「新しいビジネスにも挑戦したい」とする。
「周南コンビナートは日本の縮図。生産規模が縮小している」。出光興産から原材料の供給を受ける総合化学メーカー、トクヤマ徳山製造所の安達秀樹所長は率直に認める。景気が回復しているとはいえ、アジアの新興国との競争激化などで同製造所の化成品プラントの稼働率は70~80%にとどまるという。
競争力強化に向け、コンビナート企業はコスト削減に腐心する。トクヤマも火力発電所で使う石炭の輸送費カットを強める。大量輸入した石炭の荷揚げ施設が周南市に完成し、徳山下松港が石炭のばら積み(バルク)船の拠点となる国際バルク戦略港湾に選ばれた。環境は整いつつあるように見える。
だが、安達社長は今のままでは不十分とする。「一企業の取り組みでは限界がある。企業が共同で火力発電所を設置して電力を融通し合うなど連携を強めないと、コンビナートは生き残れない」と危機感をにじませる。
再生へ重点戦略
低迷する生産の再生に向け、県は取り組みを強化してはいる。昨年7月、産業戦略推進計画を策定し、港湾の機能強化、工場用水の安定供給などの重点戦略を打ち出した。
徳山下松港徳山地区の水深を14㍍から18㍍にする方針に転換。中山川ダム(岩国市)の上水用水利権を工業用に転用して周南コンビナートに配水する計画に着手した。地元経済界は、「県に要望してきた長年の懸案が前進し始めた」と評価する。
しかし、山口大学院の稲葉和也教授(コンビナート産業史)は「ハード整備が中心。次の産業につながる政策をもっと示すべきだ」と話す。従来の生産を続けるだけでは国際競争で行き詰まるとし、「技術開発支援などで次の芽を育て、企業を連携させる手を打たないと」とみる。
県は産業戦略推進計画で工業出荷額を現在より1割多い7兆円以上に増やし、新規雇用は2016年度までの4年間で2万人以上を目指すという。だが、実現への道筋はまだ不透明である。 |
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