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報道記録
報道年月日 2015/01/30
報道機関名 山口新聞
会員名 アボンコーポレーション㈱
タイトル 鋳物屋の復活
報道記録の内容 私の家は江戸時代後期の文政4(1821)年より代々、鋳物屋を営んでいる。しかし8年前に経営不振により工場が閉鎖、そして倒産。当たり前のように使っていた鋳造設備は金属くずとなり、悔しい思いで過ごした時期がある。その時にいつかまた鋳造をできるようにすると誓い、鋳造の原料である金属くずを集めることから今の会社をスタートさせた。そこで今回はパソコンリサイクルについて記述する。
 鋳物屋は通常、仕入れた金属くずを溶かして製造を行う。私の会社では不要になったパソコンを回収して、その金属を原料に鋳造を行っている。パソコンには鉄、アルミ、銅、銀、金、パラジウムという順に金属の量が含まれている。中でも金やパラジウムのようなレアメタルは微量である。パソコンを1千台以上集めて、ようやく200㌘ほどの金が精錬できる。金の精錬には薬品を使うので、私のところでは、国内の精錬メーカーに依頼しているが、3年前から鉄、アルミ、銅のようなコモンメタルは自社で溶かして鋳造品を製造している。
 そして工場閉鎖から7年、ようやくキュポラという昔ながらの鉄溶解炉を昨年設置した。このキュポラはまだ研究中ではあるが、循環型社会に貢献する思いが込められた独自の設計になっている。こうして規模は小さいが、創業180年の鋳物屋は復活した。
(防府市、アボンコーポレーション代表取締役 松村 憲吾)
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