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報道年月日 |
2015/02/17 |
報道機関名 |
日本経済新聞 |
会員名 |
中国電力㈱ |
タイトル |
地域と企業 変容する中国電① 電力の巨艦に競争の波 自由化目前、改革に着手 |
報道記録の内容 |
5県の電力インフラを一手に支えてきた中国電力が変容しつつある。2016年の小売り完全自由化に始まる電力システム改革を前に、地域独占に守られた世界から自由競争の波にのまれつつあるためだ。コスト削減と安定供給の両立、そして原子力発電所の再稼働。ベクトルの異なる課題を解決し、地域に必要とされる存在にどう生まれ変わるのか。
子会社を売却
今月4日、中国電力の苅田知英社長はある全額出資子会社の売却を決めた。変圧器を手掛ける中国電機製造(広島市)。最大の取引先である中国電の設備投資抑制が響き、売上高が目減りしていた。新たに親会社となる同業大手、ダイヘンの下でコスト削減と顧客開拓に乗り出す。
中国電機製造の創業は1938年。約40のグループ企業の中でも長い歴史を持つ。だが現状を放置すれば全体の収益に響く。グループとして最大の経営効果を挙げるにはどのような体制をつくるべきか。苅田社長は模索を続ける。
16年の小売り自由化では家庭向け電力販売が開放される。異業種が想定外の低コストで乗り込んでくる可能性がある。収益基盤を足元から揺るがす変化を乗り切るには、常識にとらわれない構造改革が避けられない。
たとえば電柱。重くかさばるため、域内のグループ企業から調達するのが常識だった。中国電は昨年、岡山県の案件で競争入札を実施した。
子会社の中国高圧コンクリート工業(広島市)は、低価格を示した関西電力系に競り負けた。「15年度は入札の比率がもっと上がる」。別のグループ企業幹部は身構える。
地域独占を前提にした結びつきが崩れる中、勝負に出たグループ会社もある。帳票印刷を一手に引き受けてきた産興(広島市)は新工場を建設、食品包装の印刷受託に参入する。投資額の約40億円は年商に匹敵する。「社運をかけた大型投資」(石原崇宏社長)だ。
効率的な電力供給網づくりに欠かせないスマートメーターや省エネシステムを手掛ける中国計器工業(広島県府中町)。社員が世代を超えてチームを作り、ビジネスモデルづくりに挑み始めた。
可能な限り外注
低コストの体質づくりは中国電本体も避けて通れない。「一部の周辺設備の管理は本体社員でなくてもできますよね」。火力発電所の担当者は重要度の低い業務を可能な限り外注している。保守点検では1日当たりの人数をあえて増やし、全体の期間を減らして費用を抑える。柳井発電所(山口県柳井市)では、今春予定する取水路関連の修繕工事で、従来2ヵ月の期間を約3分の2に縮められる見通しだ。
設備の修繕も同じだ。納入メーカーに頼むのが常識だったが、細かく分割すれば他メーカーへの発注で費用を抑えられる。機器全体を安い他メーカー製に交換できる場合もある。保守的に考えがちな技術部門との「せめぎ合い」(岡部恵二資材部長)は日常茶飯事だ。
昨秋からは自家発電設備を持つマツダの担当者と技術交流会を開いている。「電柱・電線の管理はどうやっていますか」。送配電部門だけだった参加メンバーは、今春にも発電部門に広がる。
改革が進み、部門やグループ企業によって置かれた状況の差がはっきりしてきた。急激な変化はグループの遠心力を強める危険性も秘める。
毎年11月、従業員に実施する意識調査。「不安を感じる」との回答が目立った。ある中堅社員はぼやく。「次の異動では送配電部門に配属されたらいいのに」。環境激変が予想される発電部門や小売部門に比べ、インフラ的性格の強い送配電部門は従来の仕事が残るとみられているからだ。
「役所や電力会社に就職できれば安心」。こうした意識の社員は「世代を問わずいる」(苅田社長)。変化に対応できる力をつけ、顧客に選ばれる企業になれるか。地域を代表する巨艦企業の将来は、従業員一人ひとりの意識にかかっている。 |
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