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報道年月日 |
2015/03/03 |
報道機関名 |
毎日新聞 |
会員名 |
新日鐵住金㈱大分製鐵所 光鋼管部 |
タイトル |
転機 新日鉄住金社長 進藤 孝生さん 鉄の信念「国民生活守る」 温室効果ガス削減 産業界の現状訴え |
報道記録の内容 |
「国民の生活を守るために笑いものになるなら本望じゃないか」。思わず強い口調で言ってしまった。2009年5月、日本鉄鋼連盟の環境・エネルギー政策委員長として記者会見した時のことだ。20年までの温室効果ガス削減目標設定の議論が進む中、経団連は(政府案のうち最も緩い)「1990年比4%増」を支持した。当時の環境相が「世界の笑いものになる」と批判し、記者から感想を問われた。産業なくして国民の生活は成り立たない。その信念は曲げられないと思った。
09年4月、新日本製鉄の副社長に就き環境問題を担当。産業界代表として活動したが、地球規模の環境問題を扱うのは初めてだった。
それまでの担当は人事や労務など内部管理部門ばかり。学者や政治家、市民団体の方など、接点もなかったさまざまな立場の人と議論し、考え方の違いを肌身で感じた。温室効果ガス削減で重視すべきだと思ったのは、国民負担の妥当性だ。既に世界トップクラスの削減を実現した日本がさらに削減すれば、他国に比べて非常に重い費用がかかる。当時、日本企業は過度な円高などにあえいでいた。日本と欧州連合(EU)など一部の国だけ削減義務を負う状況では(他国企業と競争条件を同じにする)イコールフッティングが成り立たない。何とかしなければと思った。
ところが、民主党政権発足直後の09年9月、鳩山由紀夫首相(当時)が国連総会で「温室効果ガスの90年比25%削減」を表明した。
発言には本当に驚いた。事前に何の議論もなく、25%削減できるシナリオなんて何もなかった。その後、関連法の整備が始まり、私は国会に参考人として呼ばれた。「あいつは産業界の利益しか言わない」と批判される中、産業界の現状を粘り強く説明した。もちろん、温室効果ガスの削減は重要だ。企業もやれることはやるべきだ。ただ、理解してもらいたかったのは、人間はいろいろな現実と折り合いをつけて生きているということ。産業を興し、雇用を生んで、生活する中で生まれる温室効果ガスの現実を訴えた。
東日本大震災で原子力発電所が停止、25%削減論は宙に浮いた。その後、新日鉄住金社長に就任した。
日本がもつ世界一の環境技術の移転を進め、世界の温室効果ガスを実質的に減らすべきだと実感しており、我々鉄鋼業界をはじめ産業界はさまざまな取り組みを進めている。環境問題に携わったことで、多彩な人と接し、ものごとを俯瞰(ふかん)する目を持てるようになった。その経験は着実に今につながっていると思う。
〈しんどう・こうせい〉1949年生まれ。秋田県出身。73年一橋大経済学部卒。新日本製鉄(現新日鉄住金)入社。八幡、名古屋、広畑などの製鉄所に勤務し、本社経営企画部長、副社長などを歴任。2014年4月、社長に就任。65歳。 |
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