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報道年月日 |
2015/07/16 |
報道機関名 |
日本経済新聞 |
会員名 |
やまぐちエコ市場 |
タイトル |
官民バイオマス発電着々 岡山・真庭、間伐材活用で売電 経済効果、見学ツアーにも 燃焼灰の利用 課題に |
報道記録の内容 |
岡山県北部の真庭市で官民が出資するバイオマス発電所が本格稼働して3カ月になる。未利用木材を有効活用することで山林を保全するとともに売電収入や雇用拡大で新たな富を生み出す試みだ。燃料の確保や発電所の稼働はこれまで順調で関係者は胸をなで下ろす。燃焼灰の再利用など循環型社会に向けた次のステップへの検討も始まった。
米子自動車久世インターチェンジの近く、緑の山々に囲まれた真庭産業団地の一角に銀色のパイプを縦横にめぐらせた発電棟が建つ。真庭バイオマス発電所だ。4月10日に完成。試験運転を経て同20日から本格稼働に入った。経営母体は集成材大手の銘建工業(真庭市)や同市が出資する真庭バイオマス発電(同)。総事業費41億円をかけて出力1万キロワットの設備を造った。未利用材を主に使うバイオマス発電所としては国内最大級だ。
燃料、1日350トン
同産業団地内にある真庭木材事業協同組合の工場には枝葉も含めた木材を積んだトラックが出入りする。15社から20社の業者が毎日持ち込む木材がチップに加工され発電所に供給される。1日の木質燃料消費量は約350トン。持ち込まれる木材は400トン程度ある。
「含水率が思ったより低く当初予定より少ない燃料で1万キロワットの出力を出せる」(真庭木材事業協同組合木材事業部の樋口誠一郎部長)ため木材は供給過剰気味だ。
発電した電力は中国電力の送電網を通して特定規模電気事業者(新電力=PPS)4社に販売している。年間の売り上げ見込みは21億円。木質燃料の年間買い入れ額は13億円だ。
真庭市は市域の8割が森林だ。以前から林業や製材業が盛んだったが需要減に伴い間伐材が山に放置され、森林が荒れていた。木質燃料を使うバイオマス発電はこうした未利用材を活用し森林を保全する役割を果たすほか、製材所から出る端材なども有効に利用することができる。
経済波及効果は林業、製材業にとどまらない。真庭市は全国各地からの見学者を見込んでバイオマスツアーを実施しているが、同ツアーだけで今年度の目標を3000人に設定するなど観光業への波及効果もある。古い町並みを残し「のれんのまち」として有名な同市勝山地区のほか、温泉地も含めた活性化につながる可能性を秘める。
「山間部を振興」
今後の課題もある。一つは発電所から出る燃焼灰の有効活用だ。現在は産業廃棄物となっているが「土壌改良材や浄化剤、食品のあく抜きなど様々な用途があり、有効利用を検討している」(真庭市林業・バイオマス産業課)という。
発電した電力は現在、大口利用者にしか販売できない。規制緩和が必要だが、この電力を市民や小規模な企業にも供給できるようになればエネルギーの地産地消という循環型社会に一歩近づく。
須田実・真庭市副市長は「木質バイオマス発電に地域一体となって取り組むこのモデルが成功すれば、日本の山間部が活性化する」と意気込む。同市は子供や孫にふるさと回帰を働きかける運動を実施しているが、バイオマスの“真庭モデル”が定着すれば定住促進の大きな武器になるかもしれない。 |
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