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報道記録
報道年月日 2015/12/15
報道機関名 日本経済新聞
会員名 日本ゼオン(株)
タイトル 高機能紙おむつ素材 参入 日本ゼオン 薄く、伸縮性高める 新興国で需要拡大
報道記録の内容  日本ゼオンは紙おむつ向けの高機能素材を開発し、2016年から量産に入る。紙おむつの腰に巻き付ける部分に使うフィルム材料で、薄く伸び縮みしやすく履き心地を高められる。新興国の人口増などで乳幼児向けを中心に世界の紙おむつ市場は拡大が続く。吸水性樹脂など紙おむつ材料で高い技術力を持つ日本の素材メーカー各社も生産能力増強に動き出した。
 日本ゼオンは紙おむつを着けたときにずれないよう腰に巻くフィルムの原料になる粒子「SIS」を手掛ける。このほど、熱をかけてフィルム状に加工したとき、フィルムの厚さを従来の半分にできる新製品を開発した。
 日本ゼオンはSISで世界大手。70億円程度を投じ、16年5月に水島工場(岡山県)で、汎用品を含むSISの生産能力を年6万トンと4割高める。汎用品は接着剤に使われるが、開発した高機能品は紙おむつ向け。これまで試験段階で年数百トンだった生産量を同3千~4千トンに引き上げる。
 英調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、紙おむつの世界市場は14年に446億ドル(約5兆4千億円)。17年には509億ドルに増加する見通しだ。所得水準の向上で中国や東南アジアで需要が増加。米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、米キンバリー・クラーク、ユニ・チャーム、花王、大王製紙など国内外の紙おむつメーカーが事業拡大を競っている。
 紙おむつは10~15種類の材料で構成される。履き心地のよさなど品質の向上につながる材料の提供で日本の素材メーカーは強みを持つ。日本触媒は尿を吸収する高吸収水性樹脂(SAP)で世界シェア3割近くを占める最大手で、世界の有力紙おむつメーカーを顧客に持つ。日本ゼオンのSISも海外の紙おむつメーカーが採用するもようだ。
 大化工業(大阪府)は約10億円を投じ、紙おむつのバックシートに使う通気性フィルムの国内生産能力を3割増やす。16年2月までに関東工場(茨城県)に建屋と製造ラインを新設する。中国などからの外国人観光客向けに日本製の紙おむつの需要が伸びており、国内メーカー向けに増産を決めた。
 同社は関東工場、春日工場(大阪府)、タイでフィルムを生産する。全体で月産1700トン体制が整う。三井化学も17年1月にタイで手掛ける通気性フィルムの生産能力を6割引き上げる。
 日本触媒は約500億円を投じ、ベルギーでSAPとその原料となるアクリル酸を増産する。18年5月に稼働する予定だ。三洋化成工業は約110億円を投じ、18年夏までにマレーシアでSAPの新工場を建設する。生産能力は2割増える。
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