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報道年月日 |
2016/04/21 |
報道機関名 |
山口新聞 |
会員名 |
山口大学 |
タイトル |
電池研究 新産業の旗手 |
報道記録の内容 |
安全性高め世界に発信
山口大学院特命助教 トドロフ・ヤンコ・マリノフさん(47)
新産業を育てる最重点分野に、県が掲げる環境・エネルギー。水素などから効率良く電気を生み出す方法とともに、電気をどう蓄えるかは技術開発の大きなポイントだ。ブルガリア出身のトドロフ・ヤンコ・マリノフさんは、電池の専門家として県などに招かれた。
不燃性の電解液
宇部市常盤台の山口大学常盤キャンパス。大学院の特命助教として、工学部本館4階の研修室を拠点にする。「世の中の役に立ち、山口の将来にも貢献する成果を生みたい」と意気込む。
3月まで2年4カ月間、フッ素化合物製造の東ソー・エフテック(周南市)とともに、電気自動車や家電製品だ度に幅広く使われるリチウムイオン電池向けの溶媒の研究開発に携わった。現在は、国内の大手電池メーカー数社にサンプルを出荷し、品質を評価してもらっているという。
完成した溶媒は、リチウムイオン電池主要4部材の一つである電解液を燃えなくする特徴がある。電池に不具合が生じて発熱しても、電解液が不燃性であれば出火を防げる。電池の安全性を高める製品として世界に発信できる可能性がある。
トドロフさんは溶媒の性能を評価したり、改善の方向性を提案したりした。同社事業企画室長の三村英之さん(49)は「信頼性の高いデータを得られるようになった。常に前向きなトドロフさんがいたからこそ、研究を進められた」と感謝する。
大手企業を退職
来日は1995年10月。勤めていたブルガリアの国立研究所が佐賀大に人を送り出すことになり、声が掛かった。阪神大震災や地下鉄サリン事件など、この年続いた大ニュースは届いていた。「初めての海外生活。不安もあった」と振り返る。
99年、大手電池メーカーに就職。主要4部材のうち正極材と負極材の研究を、竹原市や埼玉県上尾市で進めた。管理職にも昇格したが「向いていなかった。人を動かすのではなく、自分の手で研究したい」と2013年7月に退職した。
すぐに自動車メーカーなど多くの企業から誘いがあったが、全て断った。「売り上げをにらみながらではなく、次の世代を支える基礎研究をやりたかった」妻の福岡泰子さん(44)が、山口大で研究者を募っているとの情報をインターネットで見つけ、14年5月に山口市へ移り住んだ。
特命助教の任期は19年3月末まで。自然が豊かでのんびりと暮らせる環境を気に入り、将来も山口大にとどまりたいと考えるようになった。「電池の安全性と性能が高まれば、衣服に組み込むなど用途は大きく広がる。電池をトータルで学んできた強みを生かし、研究を続けたい」と前を向く。(村田拓也) |
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