次回から自動ログイン

 
   
入会はこちらから
トップ
エコ市場の概要
活動案内
行政情報
報道記録
人材情報
リンク集
Q&A
個人情報の取扱い
お問い合わせ
会員情報
売ります・買います・提供・受入・融資します

やまぐちエコ市場事務局
山口県環境生活部廃棄物・リサイクル対策課
〒753-8501
山口県山口市滝町1番1号
TEL:083-933-2992
FAX:083-933-2999

いろいろ情報イベント情報環境法令情報等掲示板会員限定情報
売ります・買います・
提供・受入・融資します情報
イベント情報環境法令情報等掲示板会員限定情報
報道記録
報道年月日 2021/06/07
報道機関名 日本経済新聞
会員名 日本製鉄
タイトル 鉄スクラップ脱炭素で争奪戦 日鉄は最大級電炉
報道記録の内容  鉄鋼業界で鉄スクラップの調達を増やす動きが広がる。スクラップを混ぜ込んだり、スクラップから再生する電炉を使ったりして「脱炭素」につなげる。JFEスチールは2021年度から年20万トン規模の定期購入を決めた。中国が輸入国に回りスクラップの需給は一段と締まっている。国内の流通価格が約13年ぶりの高値をつけるなど争奪戦の様相を呈している。
 鉄鋼生産には高炉で鉄鉱石と石炭由来のコークスを反応させる方法と、電炉でスクラップを溶かして再生する方法がある。高炉は大量生産に向くが、大量の二酸化炭素が出る。世界の産業界のCO2排出量の2割強を鉄鋼業界が占める主因となっている。
 JFEはスクラップを高炉での生産工程の途中にある設備「転炉」に入れる。その分、高炉で使うコークスを減らせる。過去多い年にはスクラップを数十万トン使ったが、ゼロの年もあった。定期購入によって最低でも年20万トン使うことになる。
 転炉で使うスクラップの量を年1000万トン以上に増やすことも視野に入れる。そのため21年度のうちに国内にある全4カ所の製鉄所にスクラップを多く投入できる新型の転炉を導入する。
 JFEは製鉄事業で24年度のCO2排出量を13年度比18%削減する目標を掲げる。スクラップの活用で目標の達成へ脱炭素を進める。
 日本製鉄は電炉を増強する。22年にまず瀬戸内製鉄所広畑地区(兵庫県姫路市)に新たな電炉を導入。その後30年までに国内拠点のいずれかに年産能力2000万トン規模と国内最大級の電炉を新設する。投資額は明らかにしていないが、1千億円を上回る見通しだ。
 コークスを使わない電炉のCO2排出量は少ない。だが電力を消費するため発電時に出るCO2を考慮する必要がある。日本の電源構成を前提にすると、電炉から出るCO2は高炉の4分の1程度とされる。
 独立系の電炉大手、東京製鉄は4月、スクラップの調達規格を見直した。不純物が少ない上級品種について、長さ1500ミリメートル以下のものまで受け入れる。従来は700ミリメートル以下としていた。スクラップを安定調達するために緩和した。JFEなど高炉メーカーが調達を増やす動きをにらんだ対抗策といえる。
 需要増で鉄スクラップの市場価格は上がっている。スクラップの標準品種「H2」の関東地区での電炉会社の買値は5月下旬時点で1トン4万9000円前後と、20年春の底値から1年で2・5倍となった。約12年10カ月ぶりの高値水準だ。
 スクラップは建物の建て替えや自動車、家電などの廃棄の際に発生し、流通市場に出回る。鋼材加工時の端材などとしても出る。国内では19年度に約3400万トンが発生した。高炉や電炉が約2600万トンを利用し、残りは輸出に回った。
 市況を押し上げているのは国内要因だけではない。影響しているとみられているのが、世界の鉄鋼の約6割を生産する中国の動向だ。中国は1月上級品種を中心とするスクラップの輸入を約1年半ぶりに解禁した。
 60年にCO2排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」目標を定めた中国政府が方針転換した。中国の調達量が増えるという思惑から中国系の業者が上級品などを投機的に買い集めているとの見方もある。
 日本鉄リサイクル工業会の乗田佐喜夫専務理事は「中国も環境対応を強めざるをえなくなっており、スクラップ需要は拡大していく」とみる。当面は輸入を増やす公算が大きく「鉄スクラップが世界で争奪戦になりそうだ」と乗田氏はいう。
 価格の高騰は、メーカーにとって原料コストの上昇を意味する。ある電炉会社の幹部は「中国勢が高値でも買うため、日本の電炉会社はそれに負けない値段でないとスクラップを調達できなくなる」と不安視する。
 スクラップ商社の担当者も「中国勢が日本のスクラップを買い集めるなか、日本勢はこのままだと買い負けてしまう」と話す。脱炭素をにらんだスクラップの利用増はおぼつかない。
 中国の方針転換を商機とみて日本の商社も動き出した。鉄鋼商社の阪和興業は2月、中国の鉄鋼大手向けに輸出を始めた。まずはスポットでの取引だが今後の安定的な取引を狙う。5月までに計2万トンを輸出した。
 「現状は中国がスクラップの品質を見定めている段階」(阪和興業)で、日本産スクラップへの引き合いはさらに増える公算が大きい。三井物産も21年に入ってから輸出を始めたもようだ。




関連URL
 
戻る
 
 
     
 
   
Copyright(C)2007.やまぐちエコ市場.All Rights Reserved. やまぐちエコ市場Webに掲載の全ての情報の転載を禁止します。