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報道年月日 |
2021/09/16 |
報道機関名 |
中国新聞 |
会員名 |
山口県 |
タイトル |
海洋ごみ漂着 後絶たず 多くはプラ類 進まぬ廃棄減施策 |
報道記録の内容 |
県内の瀬戸内海沿岸にプラスチックごみの漂着が後を絶たない。カキ養殖用のパイプや発泡スチロール製の漁具が多く、ペットボトルなど家庭の生活ごみも目立つ。県はごみの回収や啓発活動に力を入れているが、プラ容器の減量など利用自体を減らす取り組みは道半ばだ。
青く透明度の高い海が広がる周防大島町の白鳥ヶ浜。200メートルの砂浜にはパイプや発泡スチロールの破片が散乱していた。清掃を続ける住民グループ「屋代島さとうみネットワーク」代表の田中貞徳さんは「きれいにしても数日後にはごみが打ちあがる」と顔を曇らせる。
県が市町などと協力して回収した海洋ごみは2020年度、日本海側を含めて計316トンだった。近年300トン超が続き、多くをプラスチック類が占める。県廃棄物・リサイクル対策課は「大量のごみが漁業や観光に重大な悪影響を及ぼしている」と危機感を示す。
周防大島町の海岸ごみの大半はカキ養殖で使う長さ20センチ、直径1センチほどのパイプだ。水揚げや悪天候時に流出することがあり、養殖が盛んな広島県沖から流れてくるとみられる。
同県内のカキ業者でつくる協議会は海岸清掃で回収したパイプを5キロ当たり200~800円で買い取ったり、流出を防ぐためカキとパイプを分別する作業員を増やしたりするなど対策を進めている。
プラごみは景観を損なうだけではない。紫外線や波で5ミリ以下に砕かれたマイクロプラスチックは魚が餌と間違えて食べるなど生態系への悪影響が確認されている。
自然界で分解されやすい「生分解性プラスチック」を漁具に活用する研究も進むが、コストが高いなど実用化へのハードルは高い。由宇漁協の橋本久幸組合長=岩国市=は「新型コロナウイルス禍もあり魚の値段が下がっている。高価な代替品を使うのは難しい」と話す。
海洋ごみはペットボトルや弁当容器などの生活ごみも少なくない。コロナ禍でテークアウトが増え、使用が増えたとの指摘もある。
プラごみを出さない取り組みは広がりつつある。宇部市は昨年2月、イベントで再利用できる食器を使う団体に費用の一部を助成するなど行動計画を作った。宮城県気仙沼市は昨年度、飲食店が持ち帰り用に紙製などの容器を利用する場合の補助金を設けた。
山口県は19年度から続けてきた漂着ごみの実態調査を踏まえ、今年3月、ごみの削減計画を作った。だが、県が取り組むのは子ども向けの環境学習が中心。事業者や団体によるリデュース(減量)、リユース(再使用)、リサイクル(再生)の「3R」推進を後押しする助成制度はない。
国内外のプラごみ問題を研究する九州大の磯辺篤彦教授(海洋物理学)は「そもそも廃棄されるプラスチックを減らすことが大事。自治体が補助金を出すなどして事業者や漁業者、消費者の取り組みを支援することが重要な対策になる」と指摘している。
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