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報道年月日 |
2021/09/25 |
報道機関名 |
日本経済新聞 |
会員名 |
マツダ |
タイトル |
車、デジタル設計共通に マツダ・デンソーなど10社連携 CASE対応 開発を効率化 |
報道記録の内容 |
マツダやトヨタ自動車などの自動車大手とデンソーなどの車部品大手の計10社は24日、コンピューター上で車両を設計する「モデルベース開発(MBD)」と呼ぶ手法の標準化で連携すると発表した。標準化で開発コストや期間を短縮できる利点があり、一部の車大手で導入が進んでいたが中小の部品メーカーまで普及し、日本の車産業全体の競争力を高める。
10社は新組織「MBD推進センター」で標準化を進める。マツダ、トヨタのほか、ホンダ、日産自動車、スバルの車5社と、デンソーやパナソニック、三菱電機などの部品5社が運営会員として参画する。
モデルベース開発では、車を構成する部品をすべてデータ化することで、コンピューター上で仮想の車を作り出す。パソコンの中で車を走らせて、どの部品が不具合を起こすのか、空気の流れを乱している部品はどこかなどを瞬時にデータで導き出せる。実際に試作車を作って走らせ、部品をその都度作り直すような工程が省け、開発時間やコストを減らせる。
日本車メーカーでは、マツダが先行して取り入れた。2000年代から本格的に導入し、従来のエンジンから燃費を改善させた「スカイアクティブ」を開発し、12年の多目的スポーツ車(SUV)「CX-5」に導入するなどして人気をけん引した。実際のエンジン開発期間の半減につながったこともある。
マツダのほか、トヨタやホンダなども導入し、車開発では主流になりつつあるが、投資余力のない中小部品メーカーではコンピューターに強い技術者を抱えられず、導入が進んでいない。新組織では大手完成車、部品メーカーが中心となり、技術支援などを通じて中小部品メーカーにもモデルベース開発を普及することを目標にかかげる。
モデルベース開発をよりしやすくするためのルール統一も目指す。例えば、モーターを回転させるとタイヤがどう動くかといった関係を表す場合、従来はメーカーによって「トルク」や「数式」「信号」など別々の方法をとっていた。業界でこうした方法を統一することで、部品メーカーは納品先の車メーカーがとに設計を変える必要がなく、コストや時間を削減できる。
「(完成車メーカーと部品メーカーの)すり合わせに時間を使っている余裕はない。効率化できるところは効率化し、環境対策などへの投資に注力する」。同日の会見で、マツダの人見光夫シニアイノベーションフェローは、こう強調した。
モデルベース開発は独ダイムラーなど欧州勢も進めており、独BMWなど完成車メーカー、独ボッシュ、独コンチネンタルなど大手部品メーカーの連携が日本より先行している。日本勢は組織発足で電気自動車や自動運転など新技術の開発余力を生み出し、欧州勢などに対抗する。
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