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報道記録
報道年月日 2021/10/07
報道機関名 日本経済新聞
会員名 脱炭素
タイトル 排出枠高騰 欧州は2倍に 脱炭素強化や石炭火力稼働で 気候変動対策見直しも
報道記録の内容  温暖化ガスの排出枠を売買する排出量市場の需要が逼迫している。欧州連合での取引価格は今年、約2倍になり英国や米国でも騰勢が強まった。脱炭素の製作強化で枠が減ったところに、石炭火力発電などの稼働による需要の増加が重なった。思わぬ価格高騰が気候変動対策を問い直すきっかけになる可能性も出てきた。

 排出量取引は企業ごとに温暖化ガスの排出可能な枠を決め、上限を超えた企業が余裕のある先から排出枠を買って埋め合わせる仕組み。排出量に応じて課税する炭素税とともに、市場メカニズムを生かして温暖化ガスを減らすカーボンプライシングの柱だ。
 この価格が高騰している。EUの排出量取引制度の先物は9月下旬に1トンあたり65ユーロをつけ、2005年の制度導入以降の最高を更新した。
 新型コロナウイルスの感染拡大初期の20年3月には15ユーロ前後まで下げていたが、その後は上昇に転じ、20年末(32.7ユーロ)比では約2倍に跳ね上がった。
 EUからの離脱に伴って5月に独自の取引制度を導入した英国では、8月末以降に最大4割強も急伸した。石炭発電の稼働増に加え、精度開始から日が浅いため参加者が限られ、余剰分を抱えた売り手の少ない点などが指摘されている。米国で3月に上場した商品先物の「グローバル排出オフセット」も騰勢を強めている。
 背景にはまず世界的な脱炭素の潮流がある。欧州で価格水準が切りあがったのは20年12月、EU首脳会議で30年時点の温暖化ガス排出量の削減率目標を従来の1990年比40%から55%に引き上げることが決まった直後だ。
 欧州委員会は21年7月に発表した目標達成への対策案で、排出量取引を排出源の大きな柱とする姿勢を鮮明にした。
 具体的には制度の対象となっている電力や鉄鋼、石油精製など排出量が多い企業の排出上限の削減率を年2.2%から年4.2%に引き上げる。対象業種を海運に広げて23年から段階的に適用する考えだ。
 排出枠の「供給」は減る一方、「排出量の多い鉄鋼や電力会社に加えて輸送など幅広い業種で排出量取引の需要が高まっている」(日本総合研究所の滝口信一郎シニアスペシャリスト)。脱炭素を急ぎ制度を厳しくするほど需給はタイトになりやすい。
 そこにエネルギーの需要逼迫が拍車をかけた。欧州では天然ガスの指標価格は6日にかけて連日で急騰し、10月に入ってからの上昇率は最大7割に達した。調査会社ICISのアナリスト、フロリアン・ローゼンバーグ氏は「欧州でガスから温暖化ガス排出量の多い石炭に発電を移す動きが出て、電力会社の需要が高まっている」と話す。投機的な売買も巻き込み値動きが荒くなっているようだ。
 排出枠を買う企業の負担は重い。製錬過程で電気を大量に使う非鉄金属メーカーは、電力と排出量価格の高騰と二重苦に直面している。「解決しなければ域外へのさらなる移転につながる恐れがある」欧州非鉄金属業協会は9月、EUのシムソン欧州委員(エネルギー担当)に書簡で窮状を訴え、電力や排出量価格を抑える対策を求めた。
 EUは自動車などの運輸や暖房用の燃料を対象とした新たな排出量取引制度を設ける計画も公表している。燃料の供給業者が対象で、26年にも始める予定だ。もっとも新制度案は家計に直接影響があるため異論が強い。排出量価格が急騰すれば家計にコストが転嫁されかねない。今回のエネルギー価格の高騰で反対論は勢いを増している。EUは世界のなかでも環境対策が進んでおり、域内の風力や太陽光など再生エネの発電量は20年に化石燃料を初めて上回った。ただ再生エネは排出ゼロ目標実現に不可欠ではあるものの「天気任せ」の欠点がある。今回のエネルギー価格の高騰は風が十分に吹かなかったことが一因だ。
 再生エネへのシフトは時間がかかり「22年から25年にかけて電力価格が上昇する」(S&Pグローバル・レーティングスのプライマリークレジットアナリスト、ピエール・ジョルジュ氏)とも予想されている。
 電力不足が排出量価格の急騰を招き企業や家計の負担が高まりすぎれば、制度の持続性に疑問符もつく。排出量取引の価格急騰は、EUの脱炭素道のりに大きな影を落としている。

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