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報道年月日 |
2022/03/16 |
報道機関名 |
日本経済新聞 |
会員名 |
脱炭素 |
タイトル |
発電用石炭、アジアで逼迫 発電コスト上昇の恐れ |
報道記録の内容 |
アジアで発電用石炭(一般炭)の受給が一段と逼迫してきた。ウクライナ侵攻でロシア産の調達を忌避する動きが世界的に広がり、オーストラリア産の需要が代替的に増え始めているためだ。もともと豪州産の品薄感は強く、スポット(随時契約)価格は3月に入り過去最高値を大幅に更新した。代替需要が増えれば価格が高止まりし、日本などで発電コストがさらに膨らみかねない。
アジア市場の豪州産一般炭のスポット価格は、14日時点で1トン375ドル弱まで上昇。ロシアのウクライナ侵攻前と比べて5割高く、それ以前の週次の最高値(260ドル強)を大幅に更新した。
「ロシア産を使う顧客から『豪州産に切り替えられないか』との相談が増えているが、提示できる対策は限られる」日本の石炭会社の担当者はため息をつく。
ロシアは一般炭の世界輸出の2割を占める。日本も輸入量の1割がロシア産だ。ウクライナ侵攻でロシア産の調達に対する信用不安や社会的批判が高まるなか、豪州産などでの代替調達を検討する需要家が増えているという。
アジアではもともと一般炭の受給はタイトだった。主要産出国のインドネシアは国内供給を優先するため、今年1月に輸出禁止を決定。内外からの批判を受けてその後は禁輸を解除し「足元では影響は解消されている」(Jパワー)。ただ、一時的に供給が停滞したため、一部の顧客が豪州産への切り替えを進めたようだ。
豪州では新型コロナウイルス禍による労働者不足や豪雨が発生。一部鉱山の生産に悪影響が生じ、「豪州産は6月積みあたりまでほぼ売り切れている」(石炭会社)。中国では昨秋以降、生産量を大幅に増やしたが、国内供給を優先している。
欧州の需要家の調達拡大も、豪州炭の受給の逼迫感を強めている。英調査会社ウッドマッケンジーによると、欧州の一般炭輸入量のうち7割がロシア産だ。米国と違い禁輸制裁は発動していないが、電力会社などの間で調達を忌避する動きが広がっている。ロシアが軍事物資の輸送を優先した影響で、石炭の鉄道輸送が混乱しているのとの指摘もある。
「欧州諸国はコロンビアや米国からも石炭を輸入しているが、短期的にはこうした産地だけでロシア産の減少を代替するのは難しい」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構の国吉信行氏)。欧州勢は豪州などアジアでも調達の動きを広げ始めているもよう。アジアの需給の逼迫感をさらに強める一因となっている。
脱炭素を背景に石炭の開発投資は減少しており、今後も生産量の伸びは世界的に期待しにくい。欧州勢とアジア諸国がロシア産以外を奪い合う構図になれば、価格も高止まりしやすくなる。
天然ガスも高騰しており、発電コストの上昇が世界経済への逆風を強めるリスクは高まっている。
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