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報道記録
報道年月日 2022/03/28
報道機関名 毎日新聞
会員名 脱プラ
タイトル プラごみ規制「全員参加」国際条約制定決定 緩やか統合案に支持
報道記録の内容  【毎日新聞】
 国連環境計画(UNEP)の意思決定機関「国連環境総会」で今月、プラスチックごみによる環境汚染を規制する国際条約を制定することが決まった。プラごみ問題に特化した初めての国際ルールとなるが、具体的な規制内容は今後の協議に委ねられる。世界は汚染根絶に向かうことができるのか。

 プラごみを巡っては近年、ウミガメの鼻にプラ製のストローが刺さった動画がインターネット上で拡散されたことなどから、特に海洋汚染に対する関心が急速に高まっている。
 UNEP本部のあるケニア・ナイロビで開かれた総会は、プラごみ対策が主要議題の一つだった。最終日の2日にプラごみ条約制定を盛り込んだ決議案が採択されると、各国政府関係者らは立ち上がり、会場は拍手に包まれた。プラごみ問題の解決へ世界が歩み始めた歴史的瞬間となった。
 総会議長を務めたノルウェーのエスペン・バート・アイデ気候・環境相は「この総会では多国間協力の最たるものを示した。決議によって我々は(プラスチック汚染を)ただす方向に向けて動き出した」と採択の意義を強調した。
 今回の決議では、条約の内容を具体的に議論する「政府間交渉委員会」を年内に設置し、2024年までに条約案をまとめる方針が示された。交渉委員会は5回程度開かれるのが通例で、その後に条約を採択、署名をし、批准に向けた手続きが進むことになる。
 人間が製造したプラ製品の一部は使用後、路上などに捨てられ、雨などで流されて河川や海に出る。海洋流出対策だけでは汚染の根絶に向けた根本的な解決にならない。そこで会議では、プラごみを「資源」と捉えてリサイクルする経済システム「サーキュラーエコノミー(循環経済)」を推進し、プラごみを極力出さない社会を目指すことの重要性を確認した。条約は、プラ製品の設計から廃棄までの「ライフサイクル全体」を対象に包括的な対策を進めることを想定。各国政府がプラごみ対策の行動計画を策定し、定期的に内容を更新することを柱とする。
 総会でのプラごみに関する議論は難航も予想されていた。総会前に、日本・ペルーとルワンダ・インド―がそれぞれ、プラごみ問題に関する決議案を事務局に提出。日本案とペルー・ルワンダ案は条約化に向けた交渉委員会の設置などを求めたのに対し、インド案は委員会の設置には触れず、各国で自主的に対策強化を進める内容で、3案は隔たりが大きかった。
 ペルー・ルワンダ案は、海洋汚染対策に限らずプラ使用量の削減や陸上での廃棄物の適切な処理・管理などについて3案で最も厳しい規制を盛り込んだ。一方、日本案は、条約化を目指すが、プラごみの排出制限などで一律の規制は求めない緩やかな内容を想定した。
 主要なプラごみの流出国は廃棄物管理が遅れている途上国が多い。日本政府には、一足とびに厳しい規制を導入しようとすれば途上国は参加せず、海洋汚染は止まらないとの考えがあった。そこで気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」を参考に、海洋プラごみの削減に向けた世界共通目標を設け、その目標達成のために各国が自主的に行動計画を策定することを提案した。
 日本の政府関係者によると総会直前の非公式協議では、交渉委員会の設置を求める日本とペルー・ルワンダの2案を統合した案が示され、ほとんどの加盟国の支持を得たという。インドも一転して統合案に賛同する姿勢を示したことで、条約制定が決定的となった。
 環境省幹部は「日本提案の多くが決議案に反映され、途上国を含めた『全員参加型』を想定した内容になった。今後も日本がリーダーシップを発揮して国際ルールの形成に貢献していきたい」と期待感を示した。
 主に石油を原料とするプラスチックは1930年代に使われ始めた。加工がしやすく耐久性に優れ、食品の容器包装などに幅広く使われる。環境省によると50年以降に生産されたプラスチックは世界全体で83億トンを超え、ごみ発生量も増えている。
 経済協力開発機構(OECD)が2月に公表した報告書によると、2000年の世界のプラごみ発生量は1億5600万トンだったが、19年には3億5300万トンと2倍以上に増加した。ごみのずさんな管理などが原因で、19年だけで2200万トンが環境中に出てしまい、河川には既に1億900万トンのプラごみが蓄積。河川から海への流出は今後数十年続くと指摘する。
 プラスチックは自然界ではほとんど分解されず、海中を浮遊しながら紫外線などの影響で5ミリ以下に細かく砕けた「マイクロプラスチック(MP)」になる。世界最深のマリアナ海溝でもプラごみが見つかったり、生息する生物からMPが確認されたりしており、世界中に汚染は広がっているが、実態の詳細な調査はほぼ手つかずの状態だ。
 大阪市で開かれた19年の主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)では海洋プラごみ対策に関する合意を議長国・日本が主導した。50年までに海への新たな流出防止を目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を採択。賛同する国・地域は現在、87に上る。各国のプラごみ流出量など基礎データを集める初の国際枠組み設置することも決まり、これまでに東南アジアなどを中心に42の国・地域が参加を表明。枠組み作りをリードしてきたと自負する日本にとって条約制定は悲願と言え、今回の決議でようやくその一歩を踏み出した。
 ただし、日本政府が提案した世界共通目標も含め、条約で各国にどんな対策を求めるかは交渉委員会の今後の議論に委ねられ、プラごみ汚染が改善するかは予断を許さない。
 世界自然保護基金(WWF)ジャパンの三沢行弘プラスチック政策マネジャーは「企業や社会が国際条約の議論により関心を持ち、しっかりと汚染を食い止められる内容にするよう、政府に積極的に働きかけていくことが求められている」と指摘する。

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